情報確認日:2026年8月13日
太陽光パネルを屋根へ設置するとき、「穴を開けて雨漏りしないのか」「古い屋根でも大丈夫なのか」と心配になる方もいると思います。
太陽光を設置した住宅で雨漏りが起きる可能性はありますが、太陽光パネルを載せるだけで必ず雨漏りするわけではありません。 屋根の状態、パネルの固定方法、防水処理、施工中の屋根材の扱いなどによって状況は変わります。
太陽光設置前に確認したいこと
国土交通省は、住宅用太陽光パネル設置時の雨漏り等を防ぐため、施工前の屋根調査、屋根貫通部の防水処理、外壁貫通部の防水処理などを施工上の注意事項として示しています。
「雨漏りしない屋根か」だけではなく、現在の屋根の状態と採用する施工方法を確認してから設置を判断することが大切です。
太陽光パネルを付けると雨漏りする?
太陽光パネルそのものが屋根の中へ雨水を通すというより、確認したいのはパネルを固定する部分や、もともとの屋根・防水部分の状態です。
国土交通省が公開している住宅用太陽電池モジュールの施工・検査基準では、パネルを固定する支持部材を適切に取り付けられず、ねじ穴から雨漏りが発生した事例が紹介されています。
同基準では、施工前に著しい劣化がないか調査し、屋根を貫通する部分にはパッキンやシーリング材などによる適切な防水措置を行うことなどが示されています。
太陽光設置後の雨漏りで考えられる原因
雨漏りは原因を見ずに決めつけることができません。太陽光設置後に雨漏りが見つかった場合は、次のような箇所を確認します。
パネル固定部
屋根を貫通して金具や支持部材を固定する工法では、固定位置や防水処理が適切か確認します。
もともとの屋根の劣化
屋根材、下地、防水部分などが設置前から劣化している場合があります。施工前の状態確認が大切です。
工事中の屋根材の損傷
屋根上での作業により屋根材が割れたり、ずれたりしていないかも確認対象になります。
配線・外壁の貫通部
太陽光の配線を建物内へ通すために外壁等を貫通する場合は、その部分の防水処理も確認します。
設置後の経年変化
屋根材や防水部分、固定部周辺は設置後も雨風や温度変化の影響を受けます。
台風などによる損傷
強風や飛来物などで屋根材や太陽光設備に損傷が生じた場合は、雨水の侵入につながることがあります。
設置前に確認したい6つの項目
雨漏りへの不安がある場合は、契約前や施工前に次の項目を確認しておくと整理しやすくなります。
- 屋根の状態を確認する 屋根材の割れ、ずれ、著しい劣化、雨漏り跡などがないか確認します。劣化がある場合は、太陽光設置と補修のどちらを先に行うか検討します。
- 自宅の屋根材に合う工法か確認する スレート、瓦、金属屋根、陸屋根などで施工方法は異なります。「どのような方法で固定するのか」を確認してください。
- 屋根を貫通する場所と防水方法を確認する 屋根に穴を開ける工法の場合は、どの位置へ固定し、どのような防水部材・方法を使うのか確認します。
- 外壁や配線の施工方法も確認する 雨漏りの確認対象は屋根だけではありません。配線を通すために外壁等を貫通する場合の処理も確認します。
- 施工内容を記録してもらえるか確認する 固定部や防水処理など、パネル設置後は見えにくくなる場所があります。施工写真などを残してもらえると後から確認しやすくなります。
- 保証の対象と条件を確認する 「何年間」だけではなく、雨漏りが対象なのか、どのような原因が対象外なのか、誰が補修するのかを契約前に確認します。
この屋根に太陽光を載せても大丈夫?
屋根材、築年数、過去の補修歴、現在提案されている施工方法などによって確認内容は変わります。見積書や屋根の情報があれば、確認しておきたい項目を整理できます。
自宅の屋根条件を確認する設置を決める前の確認でも相談できます。
屋根に穴を開けない工法なら雨漏りしない?
屋根材や製品によっては、屋根材を貫通せずに太陽光パネルを固定できる施工方法があります。
たとえば一部の金属屋根では、屋根の接合部分などを金具でつかんで固定できる場合があります。
ただし、すべての金属屋根で同じ方法が使えるわけではありません。また、穴を開けない施工方法であっても、屋根材の状態、固定強度、架台、風荷重などの確認は必要です。
築年数が経った屋根は、先に屋根の状態を確認
「築20年だから設置できない」「築30年でも必ず大丈夫」という一律の基準はありません。
国土交通省の太陽光パネル施工基準でも、施工前に工事箇所を調査し、著しい劣化等があれば補修を施工計画へ含める考え方が示されています。
築年数だけで判断するのではなく、屋根材、下地、防水部分、これまでのメンテナンス履歴などから確認します。
屋根の補修や葺き替えを近いうちに予定している場合は、太陽光を設置してから再びパネルを脱着することにならないよう、工事の順番も確認しておくと安心です。
施工保証は「年数」より中身を確認する
太陽光発電には、パネルやパワコンのメーカー保証と、施工に関する保証がありますが、それぞれ対象が異なります。
| 確認するもの | 主に確認したい内容 |
|---|---|
| メーカー保証 | パネル・パワコン等の機器について何が保証されるか |
| 施工会社の工事保証 | 施工に起因する不具合や雨漏りがどこまで対象になるか |
| 自然災害に関する補償 | 台風、飛来物などの損害がどの制度・保険で扱われるか |
| リフォーム瑕疵保険 | 加入の有無、対象となる施工部分、保険期間など |
国土交通省の「リフォーム瑕疵保険」は、リフォーム工事について第三者の建築士による検査と保証を組み合わせた制度です。実際に利用する場合は、施工会社が登録事業者か、太陽光工事をどこまで保険対象にできるかなどを確認してください。
太陽光設置後に雨漏りしたらどうする?
天井のシミ、雨の日だけ水滴が落ちる、屋根裏が濡れているなどの症状を確認した場合は、原因を決めつけずに調査を依頼します。
- 室内から状況を記録する 天井や壁のシミ、濡れている場所などを写真に残します。雨が降った日時や風の強さも分かれば記録しておきます。
- 自分で屋根へ上らない 太陽光パネルが設置された屋根上での作業は転落や設備損傷の危険があります。
- 太陽光を設置した会社へ連絡する 設置時期、工法、施工記録、保証内容を確認します。
- 屋根側の原因も確認する 必要に応じて屋根工事の専門業者などにも確認を依頼し、雨水の侵入箇所を調べます。
- 原因が分かってから保証・保険を確認する 施工に起因するのか、屋根の劣化なのか、自然災害なのかによって対応が変わります。
雨漏りの修理では、原因となる場所によって太陽光パネルの一部または全部を一時的に取り外す必要がある場合もあります。
太陽光発電と雨漏りのよくある質問
太陽光パネルを付けると雨漏りしやすくなりますか?
太陽光を設置すれば必ず雨漏りするわけではありません。ただし、屋根を貫通する固定方法では適切な防水処理が必要です。また、もともとの屋根の劣化も確認してから設置します。
すでに雨漏りしている屋根にも太陽光を設置できますか?
雨漏りがある場合は、先に原因を調べ、必要な補修を検討してください。雨漏りを抱えたままパネルを設置すると、その後の原因確認や修理が難しくなる場合があります。
築30年の住宅でも太陽光を設置できますか?
築年数だけでは判断できません。屋根材・下地・防水部分・メンテナンス状況などを確認し、必要に応じて補修や屋根工事との順番を検討します。
金属屋根なら穴を開けずに設置できますか?
屋根材の形状や採用する取付システムによっては、屋根を貫通せずに固定できる場合があります。ただし、すべての金属屋根に使える方法ではないため個別確認が必要です。
施工後の写真はもらった方がいいですか?
必須とは限りませんが、固定部や防水処理など施工後に見えにくくなる部分の記録があると、将来点検や不具合確認をするときに役立ちます。
設置後に雨漏りしたら施工会社が無料で直してくれますか?
一律には決まりません。雨漏りの原因、施工保証の内容、保証期間、自然災害の有無などを確認します。まず原因を調査し、そのうえで保証・保険の適用を確認してください。
屋根診断は必ず必要ですか?
診断方法や呼び方は会社によって異なりますが、設置前に屋根の状態を確認することは大切です。国土交通省の施工基準でも、工事箇所の事前調査と、著しい劣化がある場合の補修が示されています。
まとめ|「雨漏りしない」と断定せず、屋根と施工方法を確認する
- 太陽光を設置しただけで必ず雨漏りするわけではない
- 住宅用太陽光の雨漏り発生率を示す全国一律の公的数値は確認できない
- 設置前に屋根の劣化状態を確認する
- 屋根貫通部には適切な防水処理が必要
- 外壁や配線の貫通部も確認する
- 屋根材に合った固定方法を確認する
- 施工写真などの記録があると後から確認しやすい
- 保証は年数だけでなく対象範囲・免責条件を見る
- 雨漏り発生後は原因を確認してから保証・修理方法を判断する
太陽光発電と雨漏りについては、「正しく施工すれば絶対に大丈夫」「屋根に穴を開けたら危険」という二択では考えられません。
屋根材や現在の劣化状態、採用する架台・固定方法によって確認すべき内容は変わります。 特に築年数が経っている住宅、過去に雨漏りや屋根補修をした住宅では、設置前に屋根の状態まで確認してから判断する方が安心です。
自宅の屋根では、どんな施工方法になる?
屋根材、築年数、補修歴、現在の見積もり内容などから、設置前に確認しておきたい項目を整理できます。雨漏りが心配で設置を迷っている段階でも相談できます。
自宅の場合を確認する屋根条件や見積もり内容によって判断は異なります。
公的機関・関係団体の確認先
本記事は2026年8月13日時点で確認できる公的機関・関係団体の公開情報をもとに整理しています。設置工法、メーカー仕様、保証内容などは住宅・製品・施工会社によって異なるため、実際の設置時には個別に確認してください。
