太陽光発電の確定申告|売電収入の申告方法と経費計算

太陽光発電の確定申告について、売電収入・20万円基準・必要経費・申告の流れを解説する2026年版の図解

SOLAR TAX GUIDE

2026年8月9日更新|公的機関の公開情報から確認

太陽光発電の売電収入があるからといって、全員が所得税の確定申告をするわけではありません。

まず見るのは「売電収入がいくらか」ではなく、売電収入から必要経費を差し引いた所得です。ただし、会社員の20万円基準には条件があり、個人事業主や年金受給者などは別のルールがあります。

まず、この3点を確認

会社員の代表例

「20万円」は収入ではなく所得

給与・退職所得以外の所得の合計で判断します。

自宅の余剰売電

一般に雑所得

国税庁が家庭用の余剰売電の取扱いを示しています。

所得税が不要でも

住民税は別に確認

自治体への申告が必要になる場合があります。

国税庁「自宅の太陽光発電による余剰電力の売却収入」を確認する

このページで個別の税務判断までは行いません

税金は、給与・年金・副業など他の所得、設備の使い方、補助金の種類によって扱いが変わります。制度の考え方までは整理しますが、最終的な申告要否や税額は税務署・税理士等へご確認ください。

DO I NEED TO FILE?

売電収入に確定申告は必要?|会社員は「20万円」の意味を間違えない

国税庁によると、1か所から給与を受け、給与収入が2,000万円以下で、その給与が源泉徴収の対象となる会社員では、給与所得・退職所得以外の所得金額の合計が20万円以下なら、原則として所得税の確定申告を要しません。

売電の所得 = 売電収入 − 売電に対応する必要経費

「売電収入が20万円以下」ではなく、「他の副業所得なども含めた所得金額」で見るのが基本です。

状況まず確認すること
給与が1か所の会社員給与収入2,000万円以下などの条件を満たす場合、給与・退職所得以外の所得合計が20万円を超えるか確認。
給与収入が2,000万円超売電所得の金額だけでは判定できません。確定申告が必要となる給与所得者の要件を確認。
給与が2か所以上年末調整されなかった給与なども含む別の判定があります。
個人事業主・フリーランス会社員向けの「20万円以下なら申告不要」をそのまま使いません。事業所得等を含めて申告要否を確認。
年金を受給している公的年金等400万円以下、年金以外の所得20万円以下などの申告不要制度がありますが、条件確認が必要。

医療費控除などで確定申告するなら、20万円以下の所得も申告

20万円以下だから確定申告を要しない会社員でも、医療費控除などのために確定申告をする場合は、その20万円以下の所得も合わせて申告する必要があります。

国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人」を確認する

住民税は別に確認

所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告が必要な場合があります。国税庁も市区町村への確認を案内しています。たとえば福岡市では、給与所得者で給与以外の雑所得などがあった方を市民税・県民税の申告対象として案内しています。

税金とは別に、設備の補助制度も確認したい方へ

太陽光・蓄電池の補助金を公的情報から確認します

住所・住宅条件・太陽光や蓄電池の検討状況から、現在利用できる可能性がある制度を整理します。

うちの補助制度を無料で確認する

※税務相談ではありません。補助制度の情報確認です。

INCOME TYPE

売電収入は何所得?|自宅の余剰売電は一般に雑所得

所得区分は「何kW載っているか」だけで決まるものではありません。国税庁は、設備をどのように使い、どの活動に結びついているかで具体例を示しています。

国税庁が示している例所得区分の考え方
給与所得者が自宅で使い、余剰電力を売却一般に雑所得。
自宅兼店舗で、発電電力を店舗にも使用国税庁の照会例では事業所得の付随収入。
賃貸アパートの共用部で使用し、余剰を売却国税庁の照会例では不動産所得に係る収入。
自宅で全量売電事業として行っている場合を除き、国税庁の照会例では雑所得とされています。

「10kW以上なら事業所得」「50kW以上なら事業所得」と一律には書きません

設備容量だけで所得区分を断定すると、実際の利用状況とずれる可能性があります。自宅兼店舗、賃貸物件、事業用設備などは個別に確認してください。

EXPENSE & DEPRECIATION

必要経費と減価償却|住宅用は「売電に対応する部分」を考える

国税庁の自宅太陽光の照会例では、太陽光発電設備は一般に「機械及び装置」に分類され、耐用年数は17年とされています。

ただし、自宅の太陽光は発電した電気を家庭でも使います。そのため、減価償却費の全額を売電所得の経費にするのではなく、発電量のうち売却した電力量の割合を業務用割合として計算する考え方が示されています。

売電に対応する減価償却費 = 減価償却費 × 売却電力量 ÷ 総発電量

国税庁の自宅・余剰売電の照会例に基づく考え方です。

手元にあると確認しやすいもの

  • 太陽光発電設備の契約書・領収書
  • 年間の売電金額が分かる明細
  • 年間の売却電力量が分かる明細
  • 総発電量が分かるモニター・アプリ等の記録
  • 設備に関する修理・保険・ローン等の資料
  • 補助金を受けた場合は交付決定通知など

ローン利息・保険・修理代などは「何でも全額経費」ではありません

所得を得るために必要な支出か、家事分が含まれていないかなどを確認します。このページでは個別の経費該当性までは決めません。

国税庁の減価償却・売電割合の説明を確認する

SUBSIDY & TAX

太陽光の補助金を受けたら?|「必ず取得価額から引くだけ」ではない

旧ページでは「補助金は雑収入にせず、設備の取得価額から差し引けばよい」としていましたが、これでは説明が足りません。

国税庁によると、固定資産の取得・改良に充てるため国や地方公共団体から受けた補助金等は、一定の要件を満たし、「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」を添付した確定申告書を提出するなどの手続きをした場合、対象部分を総収入金額に算入しない取扱いがあります。

この取扱いを適用した場合、その固定資産の取得費は、実際の取得費から総収入金額に算入しなかった補助金額を控除した残額となり、その金額を基礎に減価償却を行います。

補助金なら全部同じ処理、とは考えない

補助制度の交付主体・目的・設備の使い方によって確認が必要です。補助金を受けた年の税務処理に迷う場合は、税務署・税理士へ確認してください。

国税庁「国庫補助金等を受け取ったとき」を確認する

HOW TO FILE

申告が必要なら|国税庁の作成コーナーからe-Taxで進められる

家庭用として使っている太陽光の余剰売電が雑所得に該当する場合、国税庁の確定申告書等作成コーナーでは「雑所得(業務・その他)」から入力する案内が出ています。

1
年間の売電収入を整理
電力会社・買取事業者の明細などから年間金額を確認します。
2
必要経費を整理
減価償却費など、売電所得に対応する必要経費を確認します。
3
国税庁の作成コーナーへ
スマホ・パソコンから申告書を作成できます。
4
該当する所得区分へ入力
自宅の家庭用余剰売電なら、国税庁の案内では「雑所得(業務・その他)」です。
5
e-Tax等で提出
マイナンバーカードを利用して自宅からe-Taxで提出できます。

2026年8月時点の期限

令和7年分(2025年分)の所得税の申告・納付期限は2026年3月16日で、すでに終了しています。令和8年分(2026年分)の所得税の確定申告期限は、国税庁の納期限一覧では2027年3月15日です。

国税庁 確定申告書等作成コーナーを開く

LATE FILING

申告を忘れていたら?|必要だったと分かった時点で早めに確認

確定申告が必要だったのに期限を過ぎていた場合、国税庁は、気付いた時点でできるだけ早く申告するよう案内しています。期限後申告となり、状況によっては無申告加算税や延滞税がかかる場合があります。

古い税率表をそのまま載せない

加算税には金額・時期・調査通知の有無などによる違いがあります。旧ページの「15〜20%、自主申告なら5%」だけでは現在の制度を十分に表せないため、新版では固定の表を外しました。

国税庁「確定申告を忘れたとき」を確認する

FAQ

太陽光発電の確定申告でよくある質問

売電収入が20万円以下なら確定申告はいりませんか?

「売電収入20万円以下」では判断しません。一定の給与所得者では、給与・退職所得以外の所得金額の合計が20万円以下なら原則として確定申告を要しない制度があります。ほかの副業所得なども合算します。

自宅の太陽光の売電収入は何所得ですか?

給与所得者が太陽光設備を家庭用として使い、余剰電力を売っている場合、国税庁は一般に雑所得に該当するとしています。店舗や賃貸物件など用途が違えば扱いが変わる場合があります。

太陽光発電設備の耐用年数は17年ですか?

国税庁の自宅太陽光の照会例では、一般に機械及び装置に分類され、耐用年数17年とされています。実際の減価償却計算は取得時期や適用する方法も確認してください。

設備費を全部、売電の経費にできますか?

家庭でも電気を使う余剰売電では、減価償却費の全額ではなく、発電量に対する売却電力量の割合を業務用割合として計算する考え方を国税庁が示しています。

補助金をもらったら税金がかかりますか?

補助金の種類や条件によります。国・地方公共団体の固定資産取得等の補助金には、一定の手続をすることで総収入金額に算入しない取扱いがあります。すべての補助金を一律に同じ処理にはできません。

所得税の申告が不要なら住民税も何もしなくていいですか?

そうとは限りません。所得税の確定申告が不要でも住民税の申告が必要な場合があります。お住まいの市区町村の案内を確認してください。

SUMMARY

まとめ|まず「収入」ではなく「所得」を確認

  • 家庭用の余剰売電は、国税庁の照会例では一般に雑所得
  • 一定の会社員の20万円基準は「売電収入」ではなく、給与・退職所得以外の所得合計
  • 医療費控除などで確定申告する場合は、20万円以下の所得も合わせて申告
  • 所得税の申告が不要でも、住民税の申告が必要な場合がある
  • 自宅の余剰売電では、減価償却費を売却電力量の割合で按分する考え方が示されている
  • 国税庁の自宅太陽光の照会例では、設備の耐用年数は17年
  • 補助金は、一定の要件・手続で総収入金額不算入となる取扱いがある
  • 期限後申告では加算税・延滞税がかかる場合があるため、気付いたら早めに確認

確定申告が必要かどうかを知るために、最初から難しい税額計算をする必要はありません。会社員ならまず、売電収入、売電に対応する経費、ほかの副業所得を整理すると、次に何を確認すべきか見えてきます。

個別判断が必要なところは、税務署や税理士に確認してください。当サイトでは税務判断ではなく、太陽光・蓄電池を検討する際の補助制度について、公的機関の公開情報を確認して整理しています。

これから蓄電池・設備更新を検討する方へ

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税金についての個別相談は税務署・税理士等へご確認ください。

公的機関の公開情報・確認先(2026年8月9日確認)
・国税庁「自宅に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却収入」
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/02/44.htm
・国税庁「自宅兼店舗に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却収入」
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/02/45.htm
・国税庁「賃貸アパートに設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却収入」
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shotoku/02/46.htm
・国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900_qa.htm
・国税庁「太陽光発電設備による売電収入がある場合」
https://www.keisan.nta.go.jp/r7yokuaru/cat2/cat21/cat21e/cid954.html
・国税庁「国庫補助金等を受け取ったとき」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2202.htm
・国税庁「確定申告を忘れたとき」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2024.htm
・国税庁「主な国税の納期限」
https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/24200042/noufu_kigen.htm
・福岡市「市民税・県民税の申告」
https://www.city.fukuoka.lg.jp/zaisei/shisanzei/life/006.html

※税制・申告方法は改正される場合があります。個別の申告要否・必要経費・所得区分・税額については、税務署または税理士等へご確認ください。