SUNSHINE CONDITIONS
「福岡って曇りが多いイメージだけど、太陽光大丈夫?」
九州は台風もあるし、梅雨も長いし、冬は日本海側で曇りがち——こういうイメージで「福岡は太陽光に向いてない」と思っている方がいます。
でもデータを見ると、イメージとは全然違う。
主要都市の年間日照時間(気象庁データ)
| 都市 | 年間日照時間 | 全国平均比 |
|---|---|---|
| 高知 | 約2,150時間 | +17% |
| 宮崎 | 約2,100時間 | +14% |
| 福岡 | 約1,900時間 | +3% |
| 東京 | 約1,900時間 | +3% |
| 大阪 | 約1,950時間 | +6% |
| 新潟 | 約1,600時間 | ▲13% |
| 全国平均 | 約1,840時間 | — |
福岡の日照時間は全国平均を上回っている。東京とほぼ同じ。宮崎や高知には及ばないが、太陽光発電に十分な日照条件。「福岡は向いてない」は完全なイメージ先行です。
SECTION 01
福岡の月別発電量シミュレーション
5kWシステムを福岡市に設置した場合の月別発電量。
月別発電量(5kW・南向き30度・福岡市)
| 月 | 発電量 | 特徴 |
|---|---|---|
| 1月 | 340kWh | 冬で日が短い。でも晴天率は意外と高い |
| 2月 | 380kWh | 日照時間が徐々に増加 |
| 3月 | 490kWh | 春の日差しで発電量アップ |
| 4月 | 530kWh | 気温も穏やかで効率が良い |
| 5月 | 580kWh | 年間最大。梅雨前の最盛期 |
| 6月 | 440kWh | 梅雨で減少。でもゼロにはならない |
| 7月 | 500kWh | 梅雨明け後に回復。猛暑で効率やや低下 |
| 8月 | 520kWh | 日照時間は長いが気温で効率低下 |
| 9月 | 430kWh | 台風シーズン。晴天日の発電は良好 |
| 10月 | 440kWh | 秋晴れで安定 |
| 11月 | 360kWh | 日が短くなるが晴天率は維持 |
| 12月 | 320kWh | 年間最少。でも冬の電気代削減に貢献 |
| 年間合計 | 5,330kWh | 劣化考慮済み(初年度5,400kWh) |
5月が最大で580kWh、12月が最少で320kWh。最大と最少の差は約1.8倍。年間を通じてゼロの月はない。梅雨の6月でも440kWhは発電する。
曇りや雨の日はどうなる?
| 天候 | 晴天比の発電量 |
|---|---|
| 快晴 | 100% |
| 薄曇り | 60〜80% |
| 曇り | 30〜50% |
| 雨 | 10〜20% |
| 大雨・台風 | 5%以下 |
曇りでも30〜50%は発電する。完全にゼロになるのは大雨や台風の時くらい。年間トータルでは天候の変動は平均化されるので、月単位・年単位で見ればシミュレーション通りの発電量が出ます。
電気工事士の視点
「今日は曇りだから発電してないでしょ?」とお客様に聞かれますが、モニターを見せると「えっ、こんなに発電してるの?」と驚かれます。人間の目で感じる「曇り」と、パネルが受け取る光量は違う。薄曇りなら晴天の6〜8割は発電する。年間で見ると、曇りの日の発電量も積み重なって結構な額になります。
SECTION 02
影の影響——方角より深刻な問題
日照条件で最も気をつけるべきは、実は屋根の方角よりも「影」(→ 屋根の方角と発電量)。
- 1
隣接する建物の影
南側にマンションやビルがあると、冬場は1日中影になることも。冬至の太陽高度(福岡で約33度)で影の長さを計算し、パネルに影がかからないか確認が必要。
- 2
電柱・電線の影
細い影でも、パネルの直列接続回路に入ると発電量が大幅に低下する。パネル1枚に影がかかるだけで、接続された数枚分の出力が落ちる。設計段階でストリング(直列回路)を工夫すれば影響を最小限にできる。
- 3
樹木の影
今は影がなくても、木は成長する。5年後に隣の木が伸びてパネルに影がかかるケースも。将来的な樹木の成長も考慮した設計が重要。
影の問題は現地調査でしか正確にわからない。Google Mapsの航空写真である程度は確認できるが、冬場の影の長さや時間帯ごとの変化は実際に見ないとわからない。信頼できる業者の現地調査が不可欠。
SECTION 03
気温と発電効率の関係
意外と知られていない事実——太陽光パネルは暑すぎると効率が落ちる。
パネルの最適動作温度は約25℃。気温が1℃上がるごとに、出力が約0.4%低下する。真夏にパネル表面温度が60℃を超えると、出力が10〜15%落ちることも。
だから「真夏が一番発電する」とは限らない。5月が年間最大になるのは、日照時間が長くて気温がまだ穏やかだから。福岡の5月は太陽光に最高の条件。
逆に冬は気温が低い分、パネルの効率は良い。日照時間は短いが、1時間あたりの発電効率は高い。年間トータルで見ると、気温による効率変動は相殺されるのであまり心配はいらない。
電気工事士の視点
福岡の気候は太陽光に向いています。日照時間は全国平均以上、真夏の猛暑日は東京や大阪より少なく、パネルの効率低下が抑えられる。冬の積雪もほぼない。「九州は暑すぎて太陽光に不向き」は間違い。暑さで効率が落ちるのは砂漠の話であって、福岡の夏は問題にならないレベルです。
SECTION 04
よくある質問(FAQ)
SUMMARY
まとめ
- 福岡の年間日照時間は約1,900時間で全国平均以上
- 5kWシステムで年間約5,400kWh発電。5月が最大
- 曇りでも30〜50%は発電。完全ゼロは大雨・台風時のみ
- 方角より影の影響の方が深刻。現地調査で確認が必須
- パネルは暑すぎると効率低下。福岡の気候はバランス良好
- 「福岡は太陽光に向いてない」は完全な誤解
日照条件は太陽光発電のメリットを左右する重要な要素。でも福岡はその条件を十分に満たしている。日照時間は全国平均以上、積雪なし、猛暑日も控えめ。データで見れば、福岡は太陽光に適した地域です。
電気工事士 緒方より
福岡で100件以上設置してきましたが、日照条件が理由でメリットが出なかったケースは一度もない。影の問題で設置面積を縮小したケースはありますが、それでもメリットはプラス。「うちは日当たりが悪いから…」と思っている方も、まずは現地調査を受けてみてください。意外と「大丈夫ですよ」という結果になることが多いですから。
