情報確認日:2026年8月13日
福岡で太陽光発電を検討するとき、「梅雨や曇りの日が多そうだけど、発電量は大丈夫?」と気になる方もいると思います。
気象庁の1991〜2020年平年値では、福岡の年間日照時間は1,889.4時間です。ただし、太陽光発電の年間発電量は日照時間だけで決まるものではありません。
5kWなら、まず年間約5,000kWhを概算の起点に
太陽光発電協会(JPEA)は、真南・傾斜30度の一般的な計算例として、設置容量1kWあたり年間約1,000kWhの発電量を示しています。
この考え方なら5kWで約5,000kWh/年ですが、これは福岡のどの住宅でも同じ発電量になるという意味ではありません。実際には日射量、屋根の方角・傾斜、影、設備仕様、気温、その年の天候などによって変わります。
福岡の年間日照時間は1,889.4時間
気象庁が公表している福岡の1991〜2020年平年値では、年間日照時間は1,889.4時間です。
月ごとの日照時間を見ると、季節によって差があることが分かります。
| 月 | 福岡の日照時間・平年値 |
|---|---|
| 1月 | 104.1時間 |
| 2月 | 123.5時間 |
| 3月 | 161.2時間 |
| 4月 | 188.1時間 |
| 5月 | 204.1時間 |
| 6月 | 145.2時間 |
| 7月 | 172.2時間 |
| 8月 | 200.9時間 |
| 9月 | 164.7時間 |
| 10月 | 175.9時間 |
| 11月 | 137.3時間 |
| 12月 | 112.2時間 |
| 年間 | 1,889.4時間 |
出典:気象庁「福岡 平年値(1991〜2020年)」。日照時間は発電電力量そのものではありません。
日照時間だけでは発電量を計算できない
太陽光発電の話では「日照時間」と「日射量」が混同されやすいですが、発電量を考えるときは分けて見る必要があります。
日照時間
気象条件を把握するためのデータです。福岡では気象庁が月別・年間の平年値を公表しています。
日射量
太陽から受けるエネルギー量です。太陽光発電の発電量を見積もるときは、方位や傾斜角も含めた日射量が重要になります。
NEDOは、国内の地点別・方位角別・傾斜角別の日射量を確認できる「MONSOLA-20」「METPV-20」を公開しています。
5kWなら年間どれくらい発電する?
太陽光発電協会(JPEA)は、真南・傾斜30度という条件の計算例として、設置容量1kWあたり年間約1,000kWhを一つの目安として示しています。
| 設置容量 | 単純計算による年間発電量の目安 |
|---|---|
| 3kW | 約3,000kWh/年 |
| 4kW | 約4,000kWh/年 |
| 5kW | 約5,000kWh/年 |
| 6kW | 約6,000kWh/年 |
| 7kW | 約7,000kWh/年 |
※JPEAが示す一般的な計算例を容量に掛けた概算です。福岡の個別住宅の発電量を保証する数字ではありません。
AIST(産業技術総合研究所)も、日本では設備容量1kWpあたり年間約1,000kWhを平均的な目安としていますが、地域や年、設備条件などによって差が出ると説明しています。
自宅の屋根では年間どれくらい発電する?
お住まいの場所、屋根の方角・形、設置できる容量などが分かれば、一般的な目安からどこを確認すればよいか整理できます。
自宅の発電条件を確認する発電量は住宅条件によって異なります。
梅雨・曇り・雨の日も発電する?
太陽光発電は、晴れている日だけ発電する設備ではありません。
曇りや雨の日でも日射があれば発電します。ただし、太陽光発電協会が案内しているとおり、曇りや雨では晴天時より発電量が少なくなります。
そのため、「曇りなら晴れの50%」「雨なら20%」といった固定割合をすべての日に当てはめることはできません。
福岡でも「影」は必ず確認したい
気象条件が同じでも、パネルに影が掛かる住宅と掛からない住宅では発電量が変わります。
太陽光発電協会は、ビル、樹木、電柱、アンテナなどによる影がモジュールに掛かると発電量が低下するため、なるべく影が掛からないようにすることが大切と案内しています。
確認したい影
- 南側や周囲にある住宅・マンション
- 電柱・アンテナ等
- 庭や隣地の樹木
- 煙突・屋根の立ち上がり部分
- 季節によって長くなる影
特に冬は太陽の位置が低くなるため、夏には掛からなかった影が屋根へ届く場合があります。
屋根の方角・傾斜でも発電量は変わる
太陽光パネルへ当たる日射量は、設置する方角や傾斜によって変わります。
JPEAでは南向きを発電量を確保しやすい方位として紹介していますが、南向き以外へ設置できないという意味ではありません。
実際の住宅では、方角だけでなく、
- 屋根面積
- パネルのサイズ
- 載せられる枚数
- 影
- 屋根の傾斜
を合わせて確認します。
たとえば南面が小さくても、東西面を利用することで設置容量を増やせる住宅もあります。自宅で何kW設置できるかは、屋根ごとの配置を確認して判断します。
暑い日は発電効率が下がることがある
太陽光パネルは、日差しが強ければ強いほど常に効率が高くなるわけではありません。
AISTでは、太陽電池には温度が高いと変換効率が少し低くなる性質があると説明しています。
ただし、温度が上がったときの出力低下の程度は、太陽電池の種類や製品によって異なります。
発電シミュレーションを見るときの確認項目
施工会社やメーカーから年間発電量を提示されたら、数字だけでなく計算条件も確認してください。
- 設置容量 何kWの太陽光パネルを載せる前提なのか確認します。
- 地域の日射データ 福岡県全体の一つの数字ではなく、設置地域に近い日射データが使われているか確認します。
- 屋根の方角・傾斜 実際の屋根条件が反映されているか確認します。
- 影 周辺建物や樹木などの影が考慮されているか確認します。
- 使用する機器 パネル・パワコン等の仕様が見積書と一致しているか確認します。
- 予測値であることを理解する 年間発電量は将来の天候を保証する数字ではありません。
NEDOの日射量データベースでは、方位角・傾斜角別の日射量を確認できるため、発電シミュレーションの基礎データとして利用できます。
福岡なら太陽光発電に向いている?
福岡では、気象庁の平年値として年間1,889.4時間の日照時間が確認できます。またNEDOでは福岡を含む国内各地点の日射量データを確認できます。
そのため「福岡だから太陽光発電ができない」と考える必要はありません。
ただし、太陽光発電に適しているかどうかは県や市だけでは決まりません。
- 実際に使える屋根面積
- 屋根の方角と傾斜
- 周辺の影
- 屋根の状態
- 設置できる容量
- 使用する太陽光パネル・パワコン
同じ福岡市内でも住宅ごとに条件は変わるため、最終的には自宅の屋根条件を使った確認が必要です。
福岡の日照条件と太陽光発電についてよくある質問
福岡の年間日照時間はどれくらいですか?
気象庁の1991〜2020年平年値では、福岡の年間日照時間は1,889.4時間です。
福岡で5kWの太陽光を設置すると年間何kWh発電しますか?
一般的な概算の起点として、JPEAは1kWあたり年間約1,000kWhという計算例を示しています。この場合5kWなら約5,000kWh/年ですが、実際の福岡の住宅では日射量、方角、傾斜、影、設備仕様などを反映して確認する必要があります。
梅雨や雨の日は発電しませんか?
曇りや雨の日でも日射があれば発電します。ただし晴天時より発電量は少なくなります。天候だけから一定の発電割合を決めることはできません。
福岡ならどの家でも太陽光に向いていますか?
地域だけでは判断できません。屋根の方角、傾斜、面積、影、屋根の状態、設置容量などを個別に確認する必要があります。
南向き以外では発電しませんか?
南向き以外でも発電できます。ただし方位によって受ける日射量が変わるため、実際の屋根配置を使って年間発電量を比較します。
隣の家や木の影は発電量に影響しますか?
影がパネルに掛かると発電量が低下します。時間帯や季節によって影の位置も変わるため、設置前に確認しておくことが大切です。
暑い夏ほど発電量は増えますか?
必ずしもそうではありません。日射量が多い一方、太陽電池は高温になると変換効率が低下する性質があります。温度による影響は製品によって異なります。
発電シミュレーション通りに毎年発電しますか?
発電シミュレーションは過去の日射データや設備条件から計算する予測値です。実際の天候や影、設備状態などによって発電量は変動します。
黄砂やパネルの汚れは発電量に影響しますか?
汚れによって発電量が低下することはあります。AISTでは、日本の平均的な環境・設置条件ではほこりによる影響は定格性能の5%未満で、雨によって回復する場合があると説明しています。ただし、落ちにくい汚れや落ち葉などが残っている場合は点検や清掃を検討します。
まとめ|福岡の発電量は「日照時間+自宅の条件」で見る
- 福岡の年間日照時間は平年値で1,889.4時間
- 日照時間だけから年間発電量を計算することはできない
- JPEAの一般的な計算例では1kWあたり年間約1,000kWh
- 5kWなら約5,000kWh/年を概算の起点にできる
- 実際の発電量は日射量、方角、傾斜、影、設備仕様で変わる
- 曇りや雨でも発電するが、晴天時より発電量は少ない
- 影が掛かる場合は発電量への影響を確認する
- 高温時には太陽電池の変換効率が低下することがある
- シミュレーションは将来の発電量を保証する数字ではない
「福岡は曇りが多そうだから太陽光は無理」と地域のイメージだけで判断する必要はありません。
一方、福岡だから必ず十分に発電するとも言い切れません。同じ地域でも屋根や周辺環境は違います。
まず一般的な発電量の目安を知り、その後に自宅の屋根と地点別の日射量を使って確認すると、現実に近い判断ができます。
福岡の自宅では、何kW載って年間どれくらい発電する?
住所、屋根の形・方角、現在の電気使用状況などによって確認内容は変わります。設置を決める前の段階でも、まず確認する条件を整理できます。
自宅の場合を確認する実際の発電量・設置容量は住宅条件によって異なります。
公的機関・関係団体の確認先
本記事は2026年8月13日時点で確認できる気象庁、NEDO、産業技術総合研究所(AIST)、太陽光発電協会(JPEA)の公開情報をもとに整理しています。
