POST-FIT 2026
2026年8月9日更新|公的機関の公開情報から確認卒FITとは、住宅用太陽光の固定価格で買い取ってもらえる期間が終わることです。
でも、FITが終わったからといって、太陽光発電そのものが終わるわけではありません。資源エネルギー庁も、買取期間が終わった後の大きな選択肢として、自宅で使う「自家消費」と、小売電気事業者などへ自由契約で売る方法を案内しています。
まず確認したいのは、「蓄電池を買うかどうか」ではなく、今の買取期間はいつ終わるのか、卒FIT後は誰がいくらで買うのか、自宅では昼間にどれくらい電気を使っているのかです。
卒FITが近い・もう迎えている方へ
うちの場合、売る?使う?どれが合う?
現在の売電先、売電量、電気使用量、太陽光・給湯器の状況から、まず確認する順番を整理します。
卒FIT後の選択肢を無料で確認する蓄電池を買う前の確認だけでも大丈夫です
WHAT IS POST-FIT
卒FITとは?|10年間の「固定価格での買取」が終わること
住宅用太陽光の余剰電力買取制度は2009年11月に始まり、10年間の買取期間を終えた設備が2019年11月から順次、買取期間満了を迎えています。
資源エネルギー庁のエネルギー白書2025では、2023年までの累積で約135万件・約819万kWが買取期間満了となり、2025年までには累積約200万件・約860万kWに達する見込みとされています。
卒FIT=太陽光の寿命、ではありません
国は、住宅用太陽光パネルは一般に20年以上発電し続けることが可能で、FITの買取期間終了後も自立的な電源として活用されることを期待しています。
そのため「FITが終わるから撤去」「すぐ蓄電池を付ける」と決める必要はありません。まず今の設備が正常に発電しているかも含めて確認します。
WHEN
自分はいつ卒FIT?|契約書・検針票・満了通知で確認
住宅用太陽光の固定価格での買取期間は10年間です。ただし、「家を買った年」や「自分が住み始めた年」だけでは正確に分からない場合があります。
資源エネルギー庁は、買取開始時期を契約書、案内書、検針票などで確認するよう案内しています。また、現在の買取事業者からは、買取期間満了の6〜4か月前を目途に通知が届く仕組みです。
中古住宅で太陽光を引き継いだ場合は特に注意
九州電力も、買取期間は現在の所有者が売電を始めた日ではなく、発電設備が売電を開始した日を基準にすると案内しています。前の所有者の売電期間や空き家期間も含まれる場合があります。
- 買取期間満了のお知らせ
- 売電の契約書・案内書
- 購入電力量の検針票・明細
- 設備の売電開始時期
CHOICES
卒FIT後はどうする?|まずは2つの方向で考える
公的機関の案内を整理すると、卒FIT後の大きな方向は2つです。
① 余剰電力を売る
今の買取事業者で継続する、または別の小売電気事業者等へ売電先を変更します。
② 自宅で使う量を増やす
昼間の家電、エコキュート、蓄電池、EVなどで太陽光の電気を自家消費します。
実際は両方を組み合わせる
自宅で使える分は使い、残った余剰電力だけ売る考え方もできます。
「蓄電池が一番得」とは決めません
資源エネルギー庁も、自家消費と売電のどちらが経済的に有利かは、電気料金、蓄電池価格、買取メニューなどで変わるため、一概には言えないと案内しています。
SELL
そのまま売電を続ける|価格は国ではなく買取事業者が決める
卒FIT後も余剰電力の売電は可能です。ただしFIT期間中とは違い、国が固定価格を定めるのではなく、各小売電気事業者などが提示する条件で契約します。
資源エネルギー庁は、卒FIT後の余剰電力を買い取る事業者の情報を公開しています。買取単価だけでなく、契約期間、手数料、電気の購入契約とのセット条件なども確認して選びます。
「新電力なら10〜12円」と固定しません
買取価格やサービス内容は事業者ごとに違い、変更されることもあります。このページで特定事業者をランキングにせず、現在の地域・契約条件で比較します。
KYUSHU EXAMPLE
福岡・九州の例|九州電力は現在7.00円/kWh
福岡県など九州電力エリアで、FIT期間満了後も九州電力への売電を継続する場合、2026年8月時点の買取単価は7.00円/kWh(税込)です。
九州電力で現在FITの売電契約をしており、そのまま九州電力へ売電を続ける場合は、新しい単価での買取継続にあたり申込み等の手続きは不要と案内されています。
ただし「卒FIT後は全国どこでも7円」ではありません
7.00円/kWhは九州電力の現在の条件です。地域・買取事業者によって価格や手続きは異なり、九州電力もこの単価を変更する場合があると明記しています。
SELF-CONSUMPTION
自家消費を増やす|蓄電池だけが方法ではない
資源エネルギー庁は、卒FIT後の自家消費の方法として、蓄電池・電気自動車・エコキュートなどとの組み合わせを紹介しています。
昼間に使える電気を増やす
在宅時間が長い家庭や、昼間に家電を使える家庭では、発電している時間帯に電気を使うことで自家消費を増やせます。
エコキュートを活用する
太陽光の電気を活用して昼間に沸き上げる機能を持つエコキュートもあります。給湯省エネ2026事業でも、天気予報や日射量予報に連動して昼間へ沸き上げをシフトする機種などが対象要件に含まれています。
既存エコキュートなら「タイマーを変えるだけで必ず得」とは言えません
機種の機能、電気料金プラン、日中の余剰電力、給湯量によって変わります。設定変更が可能かは取扱説明書やメーカー情報を確認します。
EV・V2Hを使う
EVを充電することで太陽光の電気を自家消費できます。V2Hを使えば、対応する車両・設備では車の電気を住宅側で利用する方法もあります。
BATTERY
蓄電池を付ける?|卒FITしただけで決めない
蓄電池を使えば、昼間に余った太陽光の電気をためて、夜間などに使うことができます。ただし、必要な容量や経済性は家庭ごとに違います。
| 確認するもの | 見る理由 |
|---|---|
| 年間・月間の売電量 | 実際に余っている電気がどれくらいあるかを見る。 |
| 昼と夜の電気使用量 | 蓄電した電気を使う余地があるかを見る。 |
| 停電時に使いたい機器 | 必要な出力・バックアップ範囲を考える。 |
| 蓄電池の費用 | 容量だけでなく工事費・保証まで確認する。 |
| 現在の補助制度 | 住所・申請時期・対象製品で条件が変わる。 |
国のDR家庭用蓄電池補助は現在終了
令和7年度補正のDR家庭用蓄電池事業は、2026年5月29日に交付申請額が予算へ達し、公募終了しました。再開予定もありません。旧ページのように国・県・市の補助金を一律に足して、実質負担額を決めることはしません。
TIMING
卒FITの準備はいつから?|まず満了通知が届いたら確認
旧ページでは「1年前から動くのが鉄則」としていましたが、公的機関が一律に1年前を期限としているわけではありません。
資源エネルギー庁は、現在の買取事業者から満了の6〜4か月前を目途に通知が届くと案内しています。九州電力では約4か月前に通知するとしています。
慌てて蓄電池を契約する必要はありません
資源エネルギー庁も卒FITに関連する悪質なセールスへの注意を呼びかけています。「卒FITしたら売電できない」「今すぐ蓄電池が必要」といった説明だけで契約せず、現在の条件を確認してください。
HOW TO CHOOSE
結局どれを選ぶ?|3つの数字があれば考えやすい
卒FIT後の選択肢を考えるとき、最初から細かいシミュレーションは必要ありません。まず次の3つをそろえると判断しやすくなります。
ここまで分かれば、売電先を変えるだけでよいのか、昼間の使い方を変えるのか、蓄電池まで検討するのかを整理できます。
検針票・売電明細があれば確認しやすくなります
「何を買うか」ではなく、まず今の使い方を整理
卒FIT後の買取条件、売電量、電気使用量、給湯器・蓄電池の有無から、検討する順番を整理します。
自分に合う卒FIT対策を無料で確認する蓄電池が必要かどうかを決めていなくても大丈夫です
FAQ
卒FITでよくある質問
卒FIT後は売電できなくなりますか?
いいえ。FITの固定価格での買取は終了しますが、小売電気事業者などと自由契約を結び、余剰電力を売電できます。買取条件は事業者ごとに異なります。
何もしなければ自動的に売電が続きますか?
買取事業者の扱いによります。たとえば九州電力で現在FIT売電中の方がそのまま九州電力へ継続する場合は、新単価での継続に申込み不要と案内されています。全国一律ではないため、満了通知を確認してください。
九州電力の卒FIT買取価格はいくらですか?
2026年8月時点では7.00円/kWh(税込)です。ただし、九州電力は買取単価を変更する場合があるとしています。
卒FITしたら蓄電池を付けた方がいいですか?
一律には言えません。売電量、昼夜の電気使用量、蓄電池費用、停電対策の希望などで変わります。まず現在の電気の使い方を確認します。
エコキュートは昼間に動かした方がいいですか?
太陽光の余剰電力を活用して昼間に沸き上げる方法はあります。ただし、機種の対応機能、電気料金プラン、給湯量などで変わるため、既存機種の設定を一律に変更すれば得になるとは限りません。
卒FITを機に太陽光を撤去した方がいいですか?
卒FITだけを理由に撤去する必要はありません。国も、買取期間満了後の設備を引き続き自立的な電源として活用することを期待しています。故障や屋根工事など別の事情がある場合は、設備状態を確認して判断します。
SUMMARY
まとめ|卒FITは「蓄電池を買うタイミング」ではなく、電気の使い方を見直すタイミング
- 卒FITは住宅用太陽光の固定価格での買取期間が終わること
- 買取期間終了後も太陽光は発電を続け、余剰電力の売電も可能
- 卒FIT後は「自家消費」と「自由契約での売電」が大きな選択肢
- どちらが得かは電気料金、買取条件、設備費などで変わる
- 九州電力の現在の卒FIT買取単価は7.00円/kWh
- 蓄電池・EV・エコキュート等で自家消費を増やす方法もある
- 国のDR家庭用蓄電池補助は2026年5月29日に終了・再開予定なし
- 満了時期は契約書・検針票・満了通知などで確認
- 卒FITだけを理由に設備撤去や蓄電池購入を急がない
卒FIT後の選び方に、全員共通の正解はありません。売電が多い家、昼間に電気を使う家、夜間使用が多い家では、合う方法が違います。
まずは満了日・現在の買取条件・売電量・購入電力量を確認する。それから必要なら、売電先変更、エコキュート、EV、蓄電池を比較する。この順番なら、不要な設備を先に買ってしまうリスクを減らせます。
・資源エネルギー庁「どうする?ソーラー」
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/solar-2019after/
・資源エネルギー庁「自家消費・相対・自由契約」
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/solar-2019after/selection.html
・資源エネルギー庁「よくあるご質問(買取期間満了)」
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/solar-2019after/faq.html
・資源エネルギー庁「売電できる事業者」
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/solar-2019after/retail_electricity_utility.html
・資源エネルギー庁「エネルギー白書2025」
https://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2025/html/2-3-2.html
・九州電力「固定価格買取制度の買取期間満了後の買取」
https://customer.kyuden.co.jp/ja/electricity/fit/after.html
・給湯省エネ2026事業「エコキュート」
https://kyutou-shoene2026.meti.go.jp/materials/ecocute.html
・SII「令和7年度補正 DR家庭用蓄電池事業」
https://dr-battery.sii.or.jp/r7h/
※買取価格・契約条件・補助制度は変更される場合があります。売電先変更や設備購入の前に、現在の契約と最新の公表情報をご確認ください。
