POST-FIT POWER SALES GUIDE
「FIT終わったんですけど、このまま九電に売り続けていいんですかね?」——先月、福岡市南区のMさん(60代・夫婦2人暮らし)から相談を受けました。話を聞くと、10年前に48円で売っていた電気が、卒FIT後はたったの7円。年間の売電収入は、ざっくり5万円以上減っていたんです。
でも、Mさんはそのこと自体を知らなかった。「ハガキは届いたけど、よくわからなくて放置してた」と。これ、笑えない話です。実は卒FIT後、何もしなければ大手電力の最低単価で自動継続されるケースがほとんど。知らないうちに毎月数千円を損し続けているご家庭が、驚くほど多いんです。
この記事では、卒FIT後の売電先を買取価格ランキングで比較し、切り替え手順、そして「そもそも売電を続けるべきか」「蓄電池にシフトすべきか」の判断基準まで、ぜんぶ解説します。読み終えるころには、あなたにとっての「正解ルート」が見えているはず。
SECTION 01
卒FIT後の売電、結論から言うとどうすべき?
「ややこしそう……」と思った方。安心してください。答えはシンプルです。
結論から言えば、まず新電力への切り替えを検討し、それでも電気が余るなら蓄電池の導入を考える。この2段階で考えるのがベストです。なぜか? 理由は3つあります。
卒FIT後にやるべきことの優先順位
- 第1ステップ:売電先を新電力に切り替える——大手電力の7〜9円に対し、新電力なら10〜14円台のプランもある。手続きはWebで5分。費用ゼロ
- 第2ステップ:自家消費率を上げる——電気料金が30円/kWh前後の今、売るより使ったほうが得。昼間の家電稼働を意識的にシフト
- 第3ステップ:蓄電池の導入を検討——夜間にも発電した電気を使いたいなら蓄電池一択。補助金を使えば実質負担はかなり抑えられる
ここで見落とされがちなのが、「何もしない」がどれだけ損かという事実です。たとえば年間4,000kWhの余剰電力がある家庭。大手電力7円で売ると年間2万8,000円。新電力12円なら年間4万8,000円。差額は年間2万円、10年なら20万円になる。手続きはたった5分なのに、この金額を逃している人が本当に多い。
SECTION 02
大手電力10社の卒FIT買取価格一覧
まずは「何もしない場合の基準」を確認しましょう。卒FIT後にそのまま大手電力に売り続けると、以下の単価が適用されます。
| 電力会社 | 買取単価 | 備考 |
|---|---|---|
| 北海道電力 | 8.0円/kWh | 固定単価 |
| 東北電力 | 9.0円/kWh | シンプル買取 |
| 東京電力 | 8.5円/kWh | 再エネ買取標準プラン |
| 中部電力 | 7.0円/kWh | Amazonポイント連携あり |
| 北陸電力 | 8.0円/kWh | 固定単価 |
| 関西電力 | 8.0円/kWh | 固定単価 |
| 中国電力 | 7.15円/kWh | 固定単価 |
| 四国電力 | 7.0円/kWh | 固定単価 |
| 九州電力 | 7.0円/kWh | 福岡含む九州全域 |
| 沖縄電力 | 7.7円/kWh | 固定単価 |
※横スクロールできます
北海道電力
東北電力
東京電力
中部電力
北陸電力
関西電力
中国電力
四国電力
九州電力(福岡含む)
沖縄電力
※2026年2月時点の情報です。各社の最新単価は公式サイトでご確認ください。出典:各電力会社公式ページ
ご覧のとおり、大手電力10社の卒FIT買取価格は7.0〜9.0円/kWh。FIT期間中に48円や38円で売れていたことを思うと、衝撃的な落差です。九州電力エリアは7.0円と全国でも最低水準。福岡にお住まいの方は、特に切り替えの効果が大きいと言えます。
実例 ─ 福岡市南区 Mさん(60代・夫婦2人・4.5kWシステム)
売電先を九州電力→新電力に切り替えた結果
切り替え前
2.2万円/年
切り替え後
3.8万円/年
九電7円→新電力12円に切り替え。年間余剰電力3,150kWh。年間差額+約1.6万円。※実績に基づくイメージです
コメント
九州電力の7円/kWhは、正直かなり低い。ところが九州エリアは新電力の参入も活発で、条件次第で2倍近い単価のプランもあります。「九電だから仕方ない」と諦める前に、次のセクションを見てみてください。
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SECTION 03
新電力の買取価格ランキング【エリア別】
「新電力って聞いたことあるけど、大丈夫なの?」——気持ちはわかります。でも、結論から言えば心配はほぼ不要です。電気の送配電は大手電力会社の送電網を使うので、停電リスクは変わりません。変わるのは「買い取る会社」だけ。ここ、かなり誤解されているポイントです。
全国対応の主要新電力プラン
| サービス名 | 買取単価 | タイプ | 条件 |
|---|---|---|---|
| スマートFIT | 7.0〜14.6円 | 固定 | エリアにより異なる |
| エネクスライフ 太陽光買取 | 12.5円 | 固定 | TERASELセットで+1円 |
| ENEOS 太陽光買取 | 11.0円 | 固定 | 条件なし・安定 |
| idemitsuでんき 太陽光買取 | 11.5円 | 固定 | 電気セットで割引あり |
| 東急パワーサプライ | 11.1円 | 固定 | 蓄電池セットで13円 |
| Q.ENEST エネまかせ | 市場連動 | 変動 | JEPX連動・解約金0円 |
※横スクロールできます
スマートFIT
エネクスライフ 太陽光買取
ENEOS 太陽光買取
idemitsuでんき 太陽光買取
東急パワーサプライ
Q.ENEST エネまかせ
※2026年2月時点。キャンペーン価格含む場合あり。最新情報は各社公式サイトをご確認ください。
九州電力エリアに注目
福岡をはじめ九州にお住まいの方にとって、卒FIT後の売電先選びは「全国で最も差が出やすいエリア」のひとつ。九電の7.0円に対し、新電力では9.5〜12.5円のプランがあります。たとえば有明エナジー(熊本拠点)は九州全域で9.5円/kWhの固定買取を提供。宮崎電力は電気契約セットで10円/kWh。さらにエネクスライフの関東向けサービスは九州にも対応していて、12.5円での買取も選択肢に入ります。
九州エリア 卒FIT買取価格の比較
※条件付き単価含む。市場連動型プランは時期により変動。
九電のまま何もしないのと、新電力に切り替えるのとで、余剰電力3,000kWhの家庭なら年間1万6,500円の差(12.5円−7.0円×3,000kWh)。5年で8万円以上。これ、手続きに5分かかるだけなんです。
「固定型」と「市場連動型」どっちを選ぶ?
固定型は毎月の収入が読みやすく安心感がある。市場連動型は電力価格が高い時期(夏・冬)に有利だけど、低い時期は下がるリスクもある。安定重視なら固定型、リスクを取れる人は市場連動型を検討。迷ったら固定型から始めて、様子を見てから切り替えるのも手です。解約金0円のプランなら、フットワーク軽く動けます。
SECTION 04
「売電継続」か「蓄電池で自家消費」か——判断基準
ここ、みんな悩むところ。先に言いますが、どちらかが「絶対に正解」ということはありません。家庭の電力使用パターンで最適解が変わります。でも、判断するための計算式ははっきりしている。
判断の分かれ目は「電気代単価」と「売電単価」の差
2026年現在、一般家庭の電気代は平均約30〜35円/kWh。対して卒FIT後の売電は高くても12〜14円程度。つまり、発電した電気を1kWh売ると12円もらえるけど、同じ1kWhを買うと30円かかる。差額は18円。この差が「蓄電池で自家消費したほうが得」という根拠になるわけです。
ただし、蓄電池には初期費用がかかる。ざっくり言えば、蓄電池の初期費用÷年間の電気代削減額=回収年数。この数字が15年以内なら「蓄電池を入れたほうが得」。それ以上かかるなら、まずは新電力への切り替えだけでOK。
実例 ─ 北九州市 Tさん(50代・4人家族・5kWシステム)
蓄電池導入で電気代がガクッと下がったケース
導入前の電気代
1.8万円/月
導入後の電気代
0.5万円/月
蓄電池9.8kWh導入。国・県・市の補助金3重取りで実質負担105万円。年間削減約15.6万円。回収期間約6.7年。※実績に基づくイメージです
Tさんの場合、回収期間6.7年。蓄電池の寿命が15年以上あることを考えると、残りの8年以上は「純粋に得する期間」になります。ここまで短縮できたのは、補助金3重取りがカギでした。
補助金3重取りとは
国の補助金、県の補助金、市の補助金。この3つは、併用できるケースがほとんどです。うまく組み合わせれば、最大100万円以上の補助金になることも。「1つだけ」で申請している人が、実はかなり多いんです。
「売電継続」が向いている人
- 昼間に電気をほとんど使わない(共働きで日中は不在)
- 初期投資をかけたくない
- あと数年で住み替え・建て替えの予定がある
- 電気代がそもそも低い(月6,000円以下など)
「蓄電池で自家消費」が向いている人
- 在宅時間が長い(リモートワーク・退職後など)
- 電気代が月1.5万円以上
- 停電対策も兼ねたい
- 補助金が使える地域に住んでいる(=ほとんどの地域)
アドバイス
「まだ蓄電池は早い」と思う方は、ひとまず新電力への切り替えだけやっておいてください。それだけで年間1〜2万円は変わります。で、蓄電池の相場が下がったタイミングで改めて検討する——この「二段構え」がいちばん賢い。焦って高い蓄電池を買う必要はないですから。
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SECTION 05
卒FIT売電先の切り替え手順【5ステップ】
「手続き、めんどくさそう……」って思いますよね。でも実際は、ネットで5分もかかりません。ガスや水道の手続きより、ずっとラクです。
-
1
「買取期間満了通知」を確認する
卒FITの約4か月前に、現在の電力会社から通知が届きます。届いていない場合は、契約先(九州電力送配電など)に電話で確認を。通知には買取期間の満了日が書かれているので、見逃さないようにしましょう。
-
2
新しい売電先を比較・選定する
この記事の比較表を参考に、自分のエリアで使える高単価プランをピックアップ。固定型か市場連動型か、セット条件の有無をチェック。
-
3
新しい売電先にWeb申し込みする
ほとんどの新電力はWebから申し込み可能。必要なのは契約者名、住所、現在の電力会社の契約番号(通知ハガキに記載)程度。5分で完了します。
-
4
旧契約の解約手続き
新しい売電先が代行してくれるケースがほとんど。自分で解約連絡する必要がないことが多いですが、念のため新電力に確認を。
-
5
切り替え完了・新単価で売電スタート
申し込みから切り替えまでは通常2週間〜1か月程度。メーター交換なども基本不要。送電線はそのまま使うので、停電のリスクもゼロです。
切り替え時の注意
卒FIT満了日を過ぎてから何もしないでいると、大手電力の最低単価で自動継続されるケースがほとんど。「気づいたら半年、7円で売り続けていた」という話をよく聞きます。満了通知が届いたら、早めに動くのが鉄則。手続きに1か月ほどかかることもあるので、満了の2〜3か月前には申し込みを済ませておくのがベストです。
SECTION 06
売電先を選ぶときの注意点3つ
買取単価だけで飛びつくと、後から「こんなはずじゃ……」になることも。新電力プランを選ぶときに、ぜひ見てほしいポイントを3つ挙げます。
①「条件付き単価」に惑わされない
「最大14.6円!」と書いてあっても、よく見ると「電気料金プランとのセット契約が必要」「蓄電池を設置済みの方限定」「初回申し込みキャンペーン」だったりします。条件なしで適用される「素の単価」がいくらなのか、ちゃんと確認してください。見出しの数字と実際に適用される数字が違うのは、この業界のあるあるです。
②解約金・最低契約期間をチェック
新電力の中には、解約金を設定しているところがあります。Q.ENESTのエネまかせは解約金0円で有名ですが、すべてのプランがそうとは限らない。契約前に「途中解約した場合の費用」を必ず確認しましょう。電力市場は変わりやすいので、身軽に動ける契約がおすすめ。
③支払いサイクルと入金方法
見落とされがちですが、売電収入の支払い頻度も会社によってバラバラ。毎月振り込みの会社もあれば、半年に1回、中には「1万円以上貯まったら都度振り込み」というところも。毎月の家計に組み込みたいなら、支払いサイクルが短い会社を選ぶのがいいでしょう。
アドバイス
17年この業界で見てきた経験から言うと、「とにかく単価が高い」だけで選ぶと後悔しやすい。単価+安定性+解約のしやすさ、この3つのバランスが大切です。ENEOS、エネクスライフ、全農エネルギーあたりは、母体企業の信頼性も含めてバランスがいいと感じます。
FAQ
よくある質問
SUMMARY
まとめ
冒頭でお話しした福岡市南区のMさん。あの後、新電力への切り替えを済ませて、今は12円/kWhで売電しています。「たった5分の手続きで年間1万6,000円も変わるなんて、もっと早く知りたかった」——これが、Mさんの率直な感想でした。
この記事のポイント
- 卒FIT後に何もしないと大手電力の最低単価(7〜9円)で自動継続される
- 新電力に切り替えれば10〜14円台も。九州エリアは特に差額が大きい
- 切り替え手続きはWebで5分。費用ゼロ、停電リスクなし
- 電気代が高い家庭は蓄電池の検討も。補助金3重取りで回収期間を大幅短縮
- 「売電先の単価」だけでなく「条件・解約金・支払いサイクル」も比較する
「卒FIT後、何もせずに大手電力の最低単価で売り続けて、年間3万円以上損する」——この記事を読んだあなたは、もうそのパターンにはハマりません。まず新電力への切り替え。そして蓄電池の検討。この2つのステップで、あなたの太陽光発電はまだまだ家計に貢献してくれます。
アドバイス
卒FIT後の電気の使い方は、FIT期間中とは180度逆の発想が求められます。「売る」から「使う」へ。その転換ができた人が、電気代高騰の時代をうまく乗り越えている。でも、売電と自家消費のベストバランスは家庭ごとに違うので、数字で確認するのがいちばん確実です。
その金額、無料で出せます。
売電先の切り替え?蓄電池の導入?あなたの家にとってどちらが得か、補助金を含めた具体的な数字でお伝えします。
うちの補助金額を調べてみる(無料)しつこい営業は一切ありません。お気軽にどうぞ。
※本記事の情報は2026年2月時点のものです。買取価格やキャンペーン内容は変更される場合があります。最新情報は各電力会社の公式サイトをご確認ください。
※本記事は太陽光発電に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の電力会社やプランの推奨を行うものではありません。
経験談
正直に言うと、「卒FITの通知ハガキが届いたけど何もしていない」というお客さんが、相談者の半数以上です。ハガキの内容がわかりにくいのもあるんですが、そもそも「切り替え先がある」こと自体を知らない。ここを読んでいるあなたは、もうその時点で一歩先に出ています。