蓄電池の全負荷型と特定負荷型の違い|停電時に使える家電・選び方【2026年】

蓄電池の全負荷型と特定負荷型を比較した図。停電時に使える家電や電力を供給できる範囲、初期費用、選び方の違いを住宅イメージで解説。

情報確認日:2026年8月13日

家庭用蓄電池の「全負荷型」と「特定負荷型」は、主に停電したときに電気を送る範囲が違います。

全負荷型は停電時に住宅内の広い範囲へ給電する構成、特定負荷型は冷蔵庫や照明など、あらかじめ選んだ回路へ給電する構成です。

停電時に200VのエアコンやIHなども使いたいなら、全負荷・200V対応の蓄電システムが候補になります。
ただし、全負荷型でもすべての家電を無制限に同時使用できるわけではありません。停電時の出力、蓄電池の残量、家電の消費電力、製品ごとの接続条件を確認する必要があります。

一方、停電時は冷蔵庫・照明・スマートフォンの充電など、必要な回路だけ使えればよい家庭では、特定負荷型も選択肢になります。

ここでは、全負荷型と特定負荷型の違いと、見積もりを見るときに確認したい点を順番に整理します。

全負荷型と特定負荷型の違い

比較項目全負荷型特定負荷型
停電時の給電範囲住宅内の広い範囲・家全体を対象とする構成あらかじめ選んだ回路を対象とする構成
200V機器200V対応製品ではエアコンやIHなどを使える場合がある100V回路を対象とする製品・構成が一般的。候補機種の仕様確認が必要
停電時の出力製品・構成によって異なる製品・構成によって異なる
停電時の電池の減り方使う家電が増えると消費量も増えやすい使用回路を絞るため消費量を管理しやすい
設備構成全負荷用分電盤や自動切替盤などが必要になる製品がある特定負荷用分電盤などを使い、対象回路を選ぶ構成がある
向いている考え方停電時も使いたい家電・部屋が多い停電時は必要な電気に絞りたい

「全負荷=停電中も普段とまったく同じ」ではありません

全負荷型は家全体へ給電できることが大きな特徴ですが、蓄電池やパワーコンディショナには停電時の最大出力があります。エアコン、IH、電子レンジ、ドライヤーなど消費電力の大きい機器を重ねて使うと、出力上限を超える場合があります。

全負荷型とは?停電時に家全体へ給電するタイプ

全負荷型は、停電が発生したときに住宅内の広い範囲へ蓄電池の電気を供給する構成です。

現在の住宅用蓄電システムには、100Vだけでなく200Vへ対応し、停電時にエアコンやIHクッキングヒーターなどを使用できる製品があります。

ただし、「全負荷型」という名称だけで使える家電を判断することはできません。メーカー・型番ごとに停電時の自立出力や接続条件が異なります。

全負荷型を検討しやすい家庭

  • 停電時にも複数の部屋で電気を使いたい
  • 200Vエアコンを停電時にも使いたい
  • IHなど200V機器の使用を想定している
  • 小さな子どもや高齢者がいて、停電時の室温管理を重視したい
  • 在宅勤務などで複数の電気機器を使う必要がある

これらに該当しても、必ず全負荷型でなければならないわけではありません。停電時に何をどの程度使いたいかを先に整理してから製品を比較します。

特定負荷型とは?使いたい回路をあらかじめ決めるタイプ

特定負荷型は、停電時に電気を供給する回路をあらかじめ決めておく構成です。

例えば、冷蔵庫、リビングの照明、通信機器やスマートフォンの充電に使うコンセントなど、停電中に必要性の高い回路を選びます。

一般的な特定負荷型では100V回路を対象とする製品があります。停電時に200V機器を使いたい場合は、「特定負荷か全負荷か」という名称だけでなく、候補製品が停電時に100V・200Vのどちらへ対応するか確認してください。

特定負荷型を検討しやすい家庭

  • 停電時は冷蔵庫・照明・スマートフォンなど最低限の電源を確保したい
  • 使う回路を絞って電池残量を長く残したい
  • 200V機器を停電時に使用する必要性が低い
  • 設備構成や導入費用を比較しながら決めたい

何回路使えるかは製品・工事内容で確認

「特定負荷なら必ず2回路」「4回路まで」と全国共通で決まっているわけではありません。実際にどの回路を停電対応にできるかは、製品、分電盤、住宅の配線などを確認して決めます。

停電時にエアコン・IH・エコキュートは使える?

停電対策を考えるときに、特に確認しておきたいのが200V機器です。

機器確認すること
エアコン100V・200Vのどちらか、停電時出力の範囲内か、メーカーが使用を認めているか
IHクッキングヒーター200V対応、自立出力、使用する口数・出力設定など
エコキュート200V対応だけでなく、蓄電システムと機器双方の対応条件を確認
電子レンジ・ドライヤー消費電力が比較的大きいため、ほかの家電との同時使用に注意
冷蔵庫停電時に給電する回路へ接続されているか、起動時を含め出力範囲内か

200V対応の全負荷型であっても、すべての200V機器が無条件に使えるわけではありません。

実際に使いたい家電が決まっている場合は、見積もりの段階で「停電時にこの機器は使えるか」をメーカー・型番まで特定して確認しておくと安心です。

今の見積もりで、停電時に何が使える?

蓄電池のメーカー・型番、容量、分電盤の構成などが分かれば、全負荷・特定負荷だけでなく、停電時に確認すべき項目を整理できます。

今の見積もり内容を確認したい

設置を決める前の情報確認からでも相談できます。

「何時間使えるか」は全負荷・特定負荷だけでは決まらない

「10kWhなら停電時に何時間使えますか?」という質問に、全負荷型・特定負荷型だけで一律の時間を出すことはできません。

停電時に電気を使える時間は、主に次の条件で変わります。

  • 停電が始まった時点の蓄電池残量
  • 停電時に実際に利用できる電力量
  • 使う家電の消費電力
  • 複数の家電を同時に使う時間
  • 停電時の最大出力
  • 太陽光発電から再充電できるか
  • 天候や太陽光の発電状況

全負荷型は使える範囲が広いため、普段と同じ感覚で多くの家電を使用すると蓄電池の残量が早く減ることがあります。

反対に、特定負荷型は使える回路を絞ることで、停電時の消費電力を管理しやすいという考え方ができます。

全負荷型と特定負荷型で価格はどれくらい違う?

全負荷型は、全負荷用分電盤、自動切替盤、200V対応などの構成によって設備や工事内容が増える場合があります。

ただし、「全負荷型なら必ず特定負荷型より○万円高い」という全国共通の価格差はありません。

同じ容量でも、メーカー・型番・既設太陽光・パワーコンディショナ・分電盤・設置条件によって見積金額は変わります。

価格を比較するときは、全負荷・特定負荷の名称だけを見るのではなく、蓄電池本体、パワーコンディショナ、分電盤、工事費まで含めた総額で確認します。

オール電化住宅なら全負荷型を選ぶべき?

オール電化住宅だからといって、必ず全負荷型にしなければならないわけではありません。

判断するときは、「停電時にも200VのエアコンやIHなどを使いたいか」を考えます。

停電中も200V機器を使いたい場合は、全負荷・200V対応製品が有力な候補です。
一方、停電時は冷蔵庫・照明・通信機器などに電気を絞る考え方なら、特定負荷型も比較対象になります。

オール電化かどうかだけで決めず、停電時の生活を具体的に想定して選ぶ方が分かりやすくなります。

全負荷型・特定負荷型を選ぶ5つの手順

停電時に使いたい家電を書き出す 冷蔵庫、照明、スマートフォン、Wi-Fi、エアコン、IHなど、必要な機器を先に整理します。
100V・200Vを確認する 特にエアコンやIHなどを使いたい場合は、電圧と製品の停電時対応を確認します。
停電時の自立出力を見る 容量が大きくても、同時に出せる電力には上限があります。kWhだけでなく停電時出力を確認します。
実際に使える容量を見る カタログ上の総容量だけではなく、停電時に利用できる容量も比較します。
設備・工事を含めた総額で比較する 分電盤やパワーコンディショナを含め、同じ条件で見積もりを比較します。

見積書で確認したい項目

見積書に「全負荷型」と書かれているだけでは、停電時の使い方までは判断できません。

  • メーカーと正式な型番
  • 全負荷型か特定負荷型か
  • 停電時に100V・200Vのどちらへ対応するか
  • 停電時の最大出力
  • 蓄電池容量と停電時に利用できる容量
  • 全負荷用・特定負荷用分電盤などの構成
  • 停電時に使いたい家電が接続可能か
  • 既設太陽光やパワーコンディショナとの接続方法
  • 本体・関連機器・工事を含めた総額
  • メーカー保証の内容

同じ全負荷型でも製品仕様は違います。候補が2機種以上ある場合は、容量だけでなく停電時出力や分電盤の構成まで並べて比較してください。

全負荷型と特定負荷型についてよくある質問

全負荷型なら停電時も家中の家電を全部使えますか?
住宅内の広い範囲へ給電できますが、すべての家電を無制限に同時使用できるわけではありません。停電時の最大出力や蓄電池残量、家電の消費電力、メーカーが定める接続条件の範囲内で使用します。
200Vエアコンを停電時にも使うには全負荷型が必要ですか?
全負荷・200V対応の蓄電システムは有力な候補です。ただし、製品ごとに自立出力や接続可能な機器が異なるため、「全負荷」と書かれているだけで判断せず型番の仕様を確認してください。
特定負荷型では何を停電対応にすればいいですか?
冷蔵庫、照明、スマートフォンや通信機器に使うコンセントなど、停電時に優先したい回路から検討します。何回路を選べるか、どの回路を接続できるかは製品と住宅の配線によって異なります。
オール電化なら全負荷型が必須ですか?
必須とは限りません。停電中にも200VエアコンやIHなどを使用したい場合は全負荷・200V対応製品を検討しやすくなります。最低限の100V機器だけ確保する考え方なら、特定負荷型も比較できます。
特定負荷型を後から全負荷型へ変更できますか?
製品と設置構成によって異なります。分電盤、パワーコンディショナ、トランス、自動切替機器などの追加・変更が必要になる場合があります。検討している製品の型番を確認して、メーカーまたは施工業者へ確認してください。
全負荷型の方が電気代も安くなりますか?
全負荷型・特定負荷型という区分だけでは、平常時の経済効果は決まりません。蓄電池容量、充放電効率、制御方法、太陽光の発電量、電気使用量、料金プラン、導入費用などを含めて判断します。
全負荷型と特定負荷型で補助金額は変わりますか?
補助制度によります。対象製品、容量、設備要件、申請時期などで条件が異なり、「全負荷だから一律○万円」という決まりではありません。利用できる制度は住所と導入する製品を特定して確認してください。

まとめ|「停電時に何を使いたいか」から選ぶ

  • 全負荷型は停電時に住宅内の広い範囲へ給電する構成です。
  • 特定負荷型は、あらかじめ選んだ回路へ給電する構成です。
  • 全負荷・200V対応製品ではエアコンやIHなどを使える場合があります。
  • 全負荷型でも、すべての家電を無制限に同時使用できるわけではありません。
  • 停電時に使える時間は、容量だけでなく使用家電、残量、出力、太陽光の発電状況などで変わります。
  • オール電化住宅でも「必ず全負荷型」とは限りません。
  • 価格差はメーカー・型番・分電盤・既設設備・工事条件によって異なります。

全負荷型と特定負荷型の違いを知るだけなら難しくありません。迷いやすいのは、「自宅では停電時にどの家電まで使えるのか」「そのために何kWh・何kWの製品が必要なのか」という部分です。

ここは、家の配線、既設太陽光、パワーコンディショナ、使いたい家電、候補製品によって変わります。

自宅の場合は、全負荷と特定負荷のどちらが合う?

停電時に使いたい家電、現在の太陽光設備、蓄電池の見積もりなどを確認しながら、比較する条件を整理できます。利用できる補助制度があるかも住所から確認します。

蓄電池の見積もり・設置条件を相談する

まだ設置を決めていない段階や、現在の見積もり確認からでも相談できます。

主な情報確認先

製品仕様、停電時の出力、接続可能な家電、保証条件などは変更される場合があります。実際の導入時には、検討しているメーカー・型番の最新仕様をご確認ください。