オール電化と太陽光発電の相性|電気代はどうなる?

ALL-ELECTRIC × SOLAR GUIDE

「オール電化にしたのに、電気代が月2万円超えてるんですけど…」——この相談、本当に多い。ガス代がゼロになった代わりに、電気代がドーンと跳ね上がる。特に冬場。エコキュートとエアコンをフル稼働させると、月3万円を超える家庭もある。

結論から言います。オール電化と太陽光発電の相性は「非常にいい」。ただし「太陽光を載せれば電気代ゼロ」は嘘。正確には「昼間の電気代はほぼゼロ。夜間は蓄電池がないと効果が薄い」。ここの仕組みを理解しないまま導入すると、「思ったほど安くならなかった」という後悔につながる。

この記事では、オール電化の電気代が高い原因から、太陽光+蓄電池を組み合わせた場合の具体的な削減シミュレーションまで、数字で解説します。

SECTION 01

オール電化の電気代が高い「本当の理由」

オール電化の電気代が高い原因はシンプル。「昼間の電気代が高いプラン」を使っているのに、昼間に大量の電気を使っているからです。

オール電化向けの電力プラン(九州電力の「電化でナイト・セレクト」等)は、夜間の単価が安い代わりに昼間の単価が割高に設定されています。エコキュートは深夜に安い電気でお湯を沸かす設計。だから夜間は安い。でも昼間にエアコン、IH、乾燥機をフル稼働させると、割高な昼間単価がガツンと効いてくる。

時間帯オール電化プラン単価(目安)一般プラン単価(目安)
昼間(10〜17時)35〜40円/kWh30〜35円/kWh
朝夕(7〜10時/17〜23時)25〜30円/kWh30〜35円/kWh
深夜(23〜7時)15〜20円/kWh30〜35円/kWh

つまりオール電化の「弱点」は昼間。ここに太陽光発電を載せると何が起きるか。昼間の35〜40円/kWhの電気を「買わなくて済む」ようになる。太陽光の発電ピークと、オール電化の電気代ピークが見事に重なるから、相性がいいわけです。

現場から

「オール電化にしたら電気代が前より高くなった」と嘆くお客様に話を聞くと、ほとんどが「昼間に在宅している共働きリモート世帯」。昼間の電気代が高いプランなのに、昼間に電気を使い放題。これでは高くなって当然です。太陽光を載せると「昼間の高い電気をタダにする」効果が最も大きい。在宅時間が長い家庭ほど、太陽光の恩恵は大きくなります。

SECTION 02

太陽光発電を足すとどうなる?3パターンで比較

福岡在住・4人家族・オール電化住宅(月間電力使用量450kWh)で、3パターンの光熱費を比較します。太陽光は5kW、蓄電池は10kWhを想定。

パターン月の光熱費年間光熱費削減額(パターン①比)
① オール電化のみ約18,000円約216,000円
② +太陽光5kW約8,000円約96,000円年12万円削減
③ +太陽光5kW+蓄電池10kWh約3,000円約36,000円年18万円削減

パターン②で年間約12万円、パターン③で年間約18万円の削減。パターン③だと月の電気代が3,000円前後まで下がる。ガス代ゼロ+電気代3,000円=月の光熱費がコンビニのコーヒー1杯/日以下。ちょっと信じられない数字だけど、蓄電池付きなら現実に起きています。

ただしパターン②(太陽光のみ)は昼間しか恩恵がない。夜間は電力会社から買うしかない。ここが「太陽光だけで電気代ゼロ」が嘘だと言った理由。蓄電池を足して初めて、夜間の電気代もカバーできます。

実例 ─ 福岡市南区 Kさん(40代・4人家族・オール電化築8年・太陽光5kW+蓄電池10kWh導入)

光熱費が月17,000円→3,500円に。年間16万円の削減

導入前の月額光熱費

17,000円/月

導入後の月額光熱費

3,500円/月

DR補助金36万円+福岡県+市の3重取りで蓄電池の実質負担を大幅カット。「冬場は月25,000円だった電気代が5,000円に。信じられなくて3回明細を確認した」とKさん。※実績に基づくイメージです

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SECTION 03

蓄電池を足して初めて「24時間お得」になる

太陽光発電だけだと、発電するのは昼間(6〜18時頃)のみ。夜間・早朝・悪天候時は電力会社から購入する必要がある。オール電化はエコキュートが深夜に動くので、深夜の電力も使う。だから太陽光だけでは「半日分しかカバーできない」

蓄電池を加えると、昼間に太陽光で発電した余剰電力を蓄電池に貯めて、夜間や早朝に使える。これで24時間の電力を自家消費でまかなう比率が跳ね上がる。加えて、停電時にもエコキュート・冷蔵庫・照明を動かせるため、オール電化の最大の弱点「停電に弱い」も解消される。

蓄電池の容量はどのくらい必要?

4人家族のオール電化住宅なら、10kWh前後が目安。夜間〜早朝に使う電力量(約8〜12kWh)をカバーできるサイズ。6.5kWhだと夜間の後半で足りなくなるケースがあり、16kWhだと余裕はあるが初期費用が高くなる。ちょうどいいのが10kWh前後。

経験談

「太陽光だけ付けて、蓄電池は後から」というお客様も多いですが、オール電化住宅に限っては最初から蓄電池もセットで検討することを強くおすすめします。理由は2つ。①配線工事が1回で済む(後付けは20〜30万円の追加工事費)。②DR補助金は蓄電池が対象で、太陽光パネルは対象外。蓄電池を後からにすると、補助金の枠が埋まっている可能性がある。

SECTION 04

エコキュートとの連携|昼間沸かしで電気代激減

ここがオール電化×太陽光の「裏技」。従来、エコキュートは深夜に安い電気でお湯を沸かす設計。でも太陽光がある家では、昼間に太陽光の余剰電力でお湯を沸かす方が圧倒的にお得。なぜなら太陽光の自家消費電力はタダ(0円/kWh)だから。深夜の15〜20円/kWhよりさらに安い。

最近のエコキュートには「おひさまエコキュート」「ソーラーチャージ」「昼間沸き上げ」機能が付いているモデルがある。太陽光の発電状況に合わせて、昼間に優先的にお湯を沸かす。これだけで月1,000〜2,000円の追加削減が見込める。

エコキュート「昼間沸かし」のポイント

すでにエコキュートを使っている場合、設定変更だけで昼間沸かしに切り替えられるモデルもあります。機種によって機能名が異なるので(「おひさまエコキュート」はダイキン・パナソニック等)、メーカーや施工業者に確認を。エコキュートの買い替え時期(10〜15年)が近い場合は、太陽光連動型への更新がおすすめ。

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EV(電気自動車)との連携も視野に

オール電化+太陽光+蓄電池の「最終形態」がV2H(Vehicle to Home)。電気自動車を家庭の蓄電池として活用する仕組み。日産リーフ(40kWhバッテリー)なら、一般家庭の3〜4日分の電力を蓄えられる。太陽光で昼間に充電し、夜間にEVから家庭に放電。すでにこの組み合わせで月の電気代が実質0円に近い家庭も出てきています。

ただしV2H機器の導入費用は30〜80万円と安くない。EVの購入費用もある。「今すぐ必要か」と言われると、まずは太陽光+蓄電池で十分。EVの普及が進めば、将来的にV2Hを追加するという段階的な導入がおすすめです。

アドバイス

「将来EVに乗り換えるかもしれない」という方は、太陽光+蓄電池の設計段階でV2H対応のパワコンを選んでおくと、後から追加する際の工事が楽になります。最初から完璧な設備を揃える必要はない。大事なのは「拡張できる設計にしておくこと」。太陽光→蓄電池→EVと段階的に導入して、少しずつ光熱費ゼロに近づけていくのが賢いやり方です。

SECTION 05

オール電化×太陽光で使える補助金

オール電化住宅に太陽光+蓄電池を追加する場合、使える補助金は主に以下の3層。

補助金対象金額目安
DR補助金(国)蓄電池最大60万円(1kWh×3.7万円)
都道府県の補助金太陽光+蓄電池5〜20万円(地域による)
市区町村の補助金太陽光+蓄電池5〜20万円(地域による)

財源が異なるため、3つの補助金は併用可能。いわゆる「補助金3重取り」。太陽光5kW+蓄電池10kWhの導入費用が約250万円の場合、3重取りで50〜80万円の補助を受けられるケースも。実質負担170〜200万円。年間18万円の光熱費削減なら、10〜11年で回収できる計算。

実例 ─ 春日市 Iさん(50代・夫婦2人・オール電化築12年・太陽光4kW+蓄電池6.5kWh導入)

補助金3重取りで実質負担150万円。年間光熱費が半分以下に

導入費用

200万円

3重取り後の実質負担

150万円

DR補助金24万円+県10万円+市16万円=合計50万円の3重取り。年間光熱費は192,000円→84,000円に。「年間11万円の削減で14年回収。でも蓄電池の安心感と光熱費の激減で満足度は100点」とIさん。※実績に基づくイメージです

SECTION 06

ガス併用 vs オール電化+太陽光|どっちが得?

「ガスを残した方が安いんじゃない?」という疑問。結論は「太陽光+蓄電池がセットなら、オール電化の方が得」。太陽光なしならガス併用の方が安いケースもある。

比較項目ガス併用(電気+都市ガス)オール電化+太陽光+蓄電池
月額光熱費電気12,000円+ガス5,000円=17,000円3,000〜5,000円
初期費用なし150〜200万円(補助金後)
停電時ガスコンロ・給湯は使用可蓄電池で家電・照明・冷蔵庫使用可
火災リスクガス漏れ・コンロ火災あり火を使わないため低い
メンテナンスガス設備の点検が必要太陽光・蓄電池の定期点検

ガス併用で月17,000円、オール電化+太陽光+蓄電池で月3,000〜5,000円。差額は月12,000〜14,000円、年間で約15万円。初期費用150〜200万円を回収するのに約10〜13年。パネル寿命が25〜30年なので、残りの15〜20年はほぼ丸儲け。

ただし、LPガス地域の場合はガス代がもっと高い(月8,000〜12,000円)ので、オール電化への切り替え効果はさらに大きい。都市ガス地域でもオール電化+太陽光のメリットは十分。

アドバイス

「ガスとオール電化、どっちが得?」と聞かれたら、私はいつも「太陽光+蓄電池をセットにするかどうか」で答えが変わると伝えます。太陽光なしのオール電化は正直微妙。昼間の電気代が高いのをそのまま食らう。でも太陽光+蓄電池があれば、昼は発電、夜は蓄電池でカバー。ガス代ゼロ+電気代ほぼゼロ。これに勝てる組み合わせは今のところない。

一次情報リンク(公式サイト)

経済産業省 電気料金情報:資源エネルギー庁
九州電力 オール電化プラン:九州電力公式
環境省 ZEH情報:環境省公式
総務省 家計調査(光熱費データ):総務省統計局
※電気料金は2026年2月時点の目安です。料金プラン・地域・使用量によって変動します。

FAQ

よくある質問

オール電化に太陽光だけ載せて蓄電池なしでも効果ある?
あります。昼間の電気代(35〜40円/kWh分)を自家消費でカバーできるので、月5,000〜10,000円の削減が期待できる。ただし夜間は電力会社から購入するので、蓄電池ありほどの効果はない。
オール電化じゃなくても太陽光のメリットはある?
もちろん。ガス併用住宅でも太陽光は有効。ただし「昼間の電気代が高いオール電化プラン」を使っている家庭ほど、太陽光の自家消費メリットが大きい。
エコキュートの昼間沸かし設定は簡単にできる?
機種による。最新のおひさまエコキュートは太陽光連動が標準搭載。既存のエコキュートでも、沸き上げ時間帯をリモコンで変更できるモデルが多い。取扱説明書か施工業者に確認を。
オール電化で停電したらどうなる?
蓄電池がなければ、エコキュートもIHもエアコンも全て停止。ガス併用ならコンロと給湯は使える。蓄電池があれば、非常用電源として冷蔵庫・照明・スマホ充電は12〜24時間程度カバー可能。
太陽光+蓄電池の初期費用はどのくらい?
太陽光5kW(80〜110万円)+蓄電池10kWh(120〜160万円)=合計200〜270万円が目安。DR補助金と自治体補助金の3重取りで50〜80万円の補助を受けられるケースも。
LPガス地域でもオール電化への切り替えは得?
LPガス代は月8,000〜12,000円と高額。太陽光+蓄電池+オール電化で光熱費を月3,000〜5,000円にできれば、切り替え効果は都市ガス地域より大きい。

SUMMARY

まとめ

📝 オール電化×太陽光 ポイント整理

  • オール電化の電気代が高い原因=「昼間の電気代が高いプランで昼間に大量消費」
  • 太陽光で昼間の電気代を自家消費→年間約12万円削減
  • 蓄電池を追加して24時間カバー→年間約18万円削減(月3,000円台へ)
  • エコキュートの「昼間沸かし」で追加月1,000〜2,000円の削減
  • DR補助金+県+市の3重取りで初期費用を50〜80万円カット
  • 太陽光+蓄電池セットの場合、10〜13年で回収。残り15〜20年は丸儲け
  • 停電時も蓄電池で12〜24時間カバー。オール電化の弱点を解消

電気工事士コメント

オール電化住宅に太陽光+蓄電池を載せたお客様の満足度は、体感で9割を超えています。「電気代の明細を見るのが楽しみになった」「冬の請求書が来ても怖くなくなった」——こういう声を聞くとこの仕事をやっていてよかったと感じる。オール電化で電気代に悩んでいる方、ぜひ一度シミュレーションだけでもしてみてください。数字を見れば、答えは出ます。

緒方慎太郎

第二種電気工事士 / 太陽光補助金ドットコム 施工管理

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※電気料金の数字は九州電力エリア・2026年2月時点の目安です。電力プラン・使用量・地域によって変動します。光熱費シミュレーションは概算であり、実際の削減額を保証するものではありません。正確なシミュレーションは個別にお問い合わせください。

最終更新日:2026年2月23日