太陽光発電は自家消費と売電どっちが得?2026年FIT 24円→8.3円で比較

太陽光発電の自家消費と売電について、2026年FITの24円・8.3円を踏まえて、どちらが得かを比較したイメージ
情報確認日:2026年8月13日

太陽光で発電した電気は、「家で使った方が得なのか、それとも売った方が得なのか」。2026年度は、この答えを一律に「自家消費」と決めることができなくなっています。

2026年度の住宅用太陽光10kW未満は、1〜4年目のFITが24円/kWh、5〜10年目が8.3円/kWhです。 自家消費1kWhの価値は「その1kWhを電力会社から買わずに済んだ金額」なので、契約している電気料金とFIT単価を比べて考えます。

最初の4年間は、電気料金プランや毎月の使用量によって「売電単価24円の方が高いケース」と「自家消費の方が価値が高いケース」の両方があります。

5年目以降はFITが8.3円/kWhになるため、購入する電気の1kWhあたりの負担が8.3円を上回っていれば、自家消費の直接的な価値が高くなります。

ただし住宅用FITは、発電した電気を自由に「売る・使う」と切り替える仕組みではありません。まず家庭で使い、余った電気が売電されます。そのため実際には、家電や給湯、EV充電などを昼間へ移して自家消費を増やすかどうかを考えます。

太陽光発電の「自家消費」と「売電」の違い

住宅用太陽光10kW未満では、太陽光が発電している時間に家で使っている電気へまず充てられ、使い切れず余った電気が売電されます。

使い方電気の流れ経済的な価値
自家消費発電した電気を自宅で使う電力会社から買わずに済んだ電気料金
余剰売電自宅で使い切れなかった電気を系統へ送るFITなどの買取単価
住宅用10kW未満では「今日は全部売電する」と自由に選ぶ仕組みではありません。
家庭で消費している電気があれば、まず太陽光の発電分が使われ、余剰分が売電されます。

発電量と使用量で流れが変わる

例えば昼間に太陽光が3kW発電し、家で1kW使用していれば、概念上は1kWを自家消費し、残った2kWが余剰になります。

反対に発電が1kWで、家庭が3kW使っていれば、1kWを太陽光でまかない、不足する2kWを電力会社から購入します。

2026年度FITは最初の4年が24円、5〜10年目が8.3円

経済産業省が公表している2026年度の住宅用太陽光10kW未満には、初期投資支援スキームが適用されています。

期間2026年度FIT考え方
1〜4年目24円/kWh買電単価との比較によって、自家消費と売電の価値が逆転することがある
5〜10年目8.3円/kWh買電回避価値が8.3円を上回れば、自家消費の直接的な価値が高い
2025年度上半期以前など、すでに認定を受けている設備には、その設備の認定年度の買取条件が適用されます。すでに太陽光を設置している方は、自分の契約中の買取単価を確認してください。

自家消費と売電、1kWhならどちらが得?

比較方法はシンプルです。

自家消費1kWhの価値
= 電力会社から買わずに済む1kWhの金額
と比較
売電1kWhの価値
= 適用される買取単価
比較結果直接的な経済価値
買電回避価値 > 売電単価自家消費の方が高い
買電回避価値 < 売電単価売電1kWhの価値が高い
ほぼ同じ生活の使い方や設備費まで含めて判断

ここでいう「買電単価」は、請求書の総額を単純に使用量で割った数字とは少し違います。

自家消費によって減るのは主に、電力量料金、燃料費等調整額、再エネ賦課金など使用量に連動する部分です。基本料金は、太陽光で1kWh自家消費しただけでは通常そのまま残ります。

九州電力の2026年8月料金で比べるとどうなる?

九州電力の従量電灯Bを例に、2026年8月分の条件で比較してみます。

従量電灯Bの電力量料金は、使用量に応じて18.37円、23.97円、26.97円/kWhの3段階です。

2026年8月分は、国の電気料金支援を反映した燃料費等調整の合計が▲1.78円/kWh。2026年度の再エネ賦課金は4.18円/kWhです。

使用量帯電力量料金調整・賦課金を反映した概算FIT24円との比較
最初の120kWhまで18.37円約20.77円/kWh24円の売電単価が約3.23円高い
121〜300kWh23.97円約26.37円/kWh自家消費側が約2.37円高い
301kWh以上26.97円約29.37円/kWh自家消費側が約5.37円高い

計算は「電力量料金-1.78円+再エネ賦課金4.18円」で比較したものです。基本料金や個別の割引などは含めていません。

2026年の最初の4年間でも、「自家消費が必ず得」とは限らないことが分かります。
契約プランとその月の使用量によっては、24円/kWhの売電価値の方が高い場合があります。

ただし住宅用FITでは家庭で使用中の電気を無視して売電へ回すわけではありません。この比較が特に役立つのは、「洗濯や給湯などをわざわざ昼間へ移して自家消費を増やすべきか」を考えるときです。

2026年8月〜10月分には国の電気・ガス料金支援が入っています。燃料費等調整や支援内容は変わるため、この表を将来の固定単価として使わないでください。

自宅では「使う・売る」どちらの価値が高い?

現在の電気料金プラン、使用量、太陽光の見積もり、設置容量などから、比較するときに必要な条件を整理できます。

自宅の電気料金・太陽光を相談する

実際の効果は電力契約、発電量、生活時間、設備条件によって異なります。

自家消費を増やす方法|まず生活時間を確認する

自家消費を増やしたい場合、いきなり蓄電池を購入する必要はありません。

まず、太陽光が発電する昼間にどのくらい電気を使用しているのかを確認します。

設備を増やす前に確認したいこと

  • 昼間と夜間の電力使用量
  • 洗濯・乾燥・食洗機などを動かす時間
  • 給湯を昼間へ移せる設備か
  • EV・PHEVが昼間に自宅にあるか
  • 太陽光の余剰電力量

家電を昼間に使う

タイマー機能などを利用して、洗濯乾燥機や食洗機などの稼働を太陽光が発電する時間へ移せれば、自家消費量が増える場合があります。

ただし「自家消費率を上げるためだけ」に無理に生活時間を変える必要はありません。FIT前半4年間は24円/kWhなので、電気料金との比較も行います。

エコキュートを昼間に沸かす

太陽光発電との連携や昼間沸き上げに対応する給湯設備では、余剰電力を給湯へ利用する方法があります。

現在使用しているエコキュートが対応するか、電気料金プランとの組み合わせに問題がないかを確認してから設定を変更してください。

EV・PHEVを昼間に充電する

EVが昼間に自宅にある場合は、余剰電力を車の充電へ回せることがあります。

充電設備、車両の対応、走行に必要な電力量などを確認して使います。

蓄電池は余剰電力を確認してから

蓄電池を使えば、昼間に余った電気を貯めて夜間に利用できます。

ただし、蓄電池本体・工事費がかかり、充放電による損失もあります。

「自家消費率が上がるから得」と決めず、実際に年間何kWhを蓄電池へ入れ、何kWhを夜に使えそうかを確認してから比較します。

「自家消費率が高い=一番得」ではない

太陽光発電では「自家消費率○%」という数字がよく使われます。

ただし、自家消費率だけで設備を評価するのはおすすめできません。

自家消費率
= 自家消費した電力量 ÷ 太陽光の総発電量

例えば太陽光の容量を小さくすると、発電した電気を家庭で使い切りやすくなり、自家消費率は高くなりやすいです。

しかし、設備を小さくしたことで年間発電量そのものが減れば、年間の経済メリットが最大になるとは限りません。

設計時は4つを一緒に見る

  • 年間発電量
  • 年間自家消費量
  • 年間売電量
  • 設備・工事の総額

「自家消費率80%を目指す」のではなく、その住宅で発電した電気をどう使うと、設備費も含めて納得できるかを考えます。

FIT5年目以降・卒FITでは自家消費の考え方が変わる

5〜10年目は8.3円/kWh

2026年度認定の住宅用太陽光は、5年目から10年目までFIT単価が8.3円/kWhになります。

この期間は、購入する電気の1kWhあたりの負担が8.3円を上回っていれば、自家消費した方が直接的な経済価値は高くなります。

そのため、給湯、EV、蓄電池などによる自家消費拡大は、前半4年間と後半6年間を分けて考える方が分かりやすくなります。

10年後は卒FIT

住宅用太陽光のFITによる固定価格での買取期間は10年間です。

終了後も発電は続き、余剰電力を小売電気事業者などへ売ることも、自家消費を増やすこともできます。

卒FIT後の買取価格は事業者ごとに異なります。例えば九州電力は2026年8月現在、卒FIT後の太陽光を7.00円/kWhで買い取る条件を公開しています。

自家消費と売電についてよくある質問

自家消費と売電の割合は自分で決められますか?

住宅用10kW未満の余剰売電では、通常は発電中に家庭で使っている分が自家消費され、余った分が売電されます。「自家消費30%・売電70%」と直接割合を設定する仕組みではありません。家電や給湯などを使う時間を変えることで、結果として割合が変わります。

2026年度は24円で売れるなら、昼間は電気を使わない方が得ですか?

契約している電気料金によります。買わずに済む1kWhの金額が24円より低ければ、売電1kWhの価値の方が高くなる場合があります。反対に買電回避価値が24円を超えていれば、自家消費の価値が高くなります。ただし住宅用FITは家庭で使っている電気を先に自家消費する余剰売電方式です。

自家消費を増やすなら蓄電池は必要ですか?

必須ではありません。家電を使う時間、給湯、EV充電などを昼間へ移せる家庭もあります。蓄電池を検討する場合は、年間の余剰電力量と蓄電池へ実際に貯められる量、設備費を確認してから判断します。

自家消費率は何%なら良いですか?

全家庭に共通する目標値はありません。自家消費率が高くても、太陽光設備が小さく年間発電量が少なければ、年間メリットが最大とは限りません。自家消費率ではなく、自家消費量・売電量・総発電量・設備費を合わせて確認してください。

電気料金が今後上がれば自家消費の方が得になりますか?

他の条件が同じで、購入する1kWhあたりの料金が上がれば、自家消費によって買わずに済む価値も高くなります。反対に料金が下がれば価値は小さくなります。将来の電気料金を決め打ちせず、現在の料金と複数の条件で比較する方が安全です。

売電収入が20万円以下なら税金はかかりませんか?

「20万円以下なら非課税」という制度ではありません。家庭用太陽光の余剰売電は、一般的な給与所得者では雑所得に該当します。一定の給与所得者では、給与・退職所得以外の所得の合計が20万円以下の場合に所得税の確定申告が不要となる制度がありますが、収入額そのものが20万円以下という意味ではありません。住民税の申告が必要になる場合もあるため、個別の税務判断は税務署や税理士へ確認してください。

卒FITしたら売電より自家消費の方が得ですか?

卒FIT後の買取単価と、現在契約している電気料金を比較します。例えば九州電力の現在の卒FIT買取は7.00円/kWhですが、他の事業者では条件が異なります。売電先変更、給湯、EV、蓄電池などを含めて比較してください。

まとめ|2026年は「自家消費か売電か」を期間ごとに考える

2026年の住宅用太陽光では、「売電より自家消費が絶対に得」という説明は正確ではありません。

判断するときの順番

  • 自分のFIT単価を確認する
  • 現在の電気料金プランを確認する
  • 1kWhを買わずに済む金額を確認する
  • FITの買取単価と比較する
  • 昼間の電気使用量を確認する
  • 年間自家消費量と売電量を見る
  • 設備を追加する場合は費用まで含める

2026年度認定では、最初の4年間は24円/kWhです。この期間は電気料金プランによって売電と自家消費の価値が逆転することがあります。

5〜10年目は8.3円/kWhになるため、自家消費を増やす意味が大きくなる住宅もあります。

そのため10年間を一つの固定条件で計算せず、前半4年・後半6年を分けてシミュレーションする方が実態に合っています。

自宅では「自家消費」と「売電」をどう計算すればいい?

現在の電気料金プラン、使用量、太陽光の設置容量、見積もり、補助制度などから、確認しておきたい条件を整理できます。

自宅の太陽光・電気料金について相談する

実際の年間メリットは、発電量・生活時間・電力契約・設備価格などによって異なります。