東京都のマンションで太陽光発電はできる?共用部・バルコニー・補助金【2026年】

東京都のマンションで太陽光発電を導入する際の、共用部・バルコニーへの設置方法や補助金の確認ポイントをまとめたイメージ【2026年】
情報確認日:2026年8月13日

マンションでも、条件が合えば太陽光発電を導入できます。東京都では、管理組合が助成対象者となる住宅向け太陽光の助成制度もあります。

分譲マンションで現実的に検討しやすいのは、管理組合が屋上などの共用部分へ太陽光発電を設置し、共用部分などで電気を使う方法です。 一方、区分所有者が自分のバルコニーへパネルを置く場合は、管理規約、避難経路、落下防止、電気の接続方法まで確認する必要があります。

東京都の令和8年度「家庭における太陽光発電導入促進事業」では、太陽光発電システムを所有する管理組合も対象者に含まれ、集合住宅の共用部分で発電電力を使用する場合も対象となることが明記されています。

この記事では、東京都の分譲マンションを中心に、屋上太陽光の進め方、2026年度の助成制度、管理組合で確認する内容、バルコニー設置の注意点を整理します。

東京都のマンションで太陽光発電を導入する方法

マンションで太陽光を考える場合、まず「誰が設備を設置し、どこで電気を使うのか」を整理します。

方法設置主体主な利用方法最初に確認すること
屋上・共用部設置管理組合など共用部分などの電力へ利用管理規約、屋上、構造、防水、電力使用量
PPA等による屋上設置サービス事業者等契約に基づき発電電力を利用契約期間、料金、設備所有権、途中解約
バルコニー等での個人利用区分所有者等ポータブル電源などへの充電を含む管理規約、避難、固定方法、電気接続
マンションの屋上・バルコニーなどは共用部分として扱われることがあります。実際の所有区分・専用使用権・利用ルールは各マンションの管理規約を確認してください。

マンション屋上へ太陽光を設置するときの確認事項

戸建住宅と違い、マンションでは屋上に空きがあるだけでは設置容量を決められません。

現地調査で確認したいこと

  • 屋上・屋根の面積と形状
  • 塔屋・避雷設備・設備機器による影
  • 建物構造と太陽光設備の重量
  • 地域・建物高さを踏まえた風荷重
  • 既存の防水層と防水改修時期
  • 雨水の排水経路
  • 今後の大規模修繕計画
  • 共用部の電力契約と時間別使用量
  • パワーコンディショナ等の設置場所
  • 系統連系に必要となる設備・手続き

設置容量は「世帯数」で決めない

50世帯だから20kW、100世帯だから30kWという共通基準はありません。

屋上の利用可能面積だけでなく、影、避雷設備、点検通路、建物の構造、共用部で使用する電力量などから配置を検討します。

共用部の電気使用量を確認する

太陽光で共用部の購入電力量を減らしたい場合は、年間の電気代だけでなく、可能であれば月ごとの使用量や時間帯も確認します。

エレベーター、廊下照明、給排水ポンプ、機械式駐車場など、設備構成によって日中の使用量が変わります。

「太陽光を付ければ共用部電気代が30%、50%下がる」と先に決めないでください。
まず共用部の電力使用量と、屋上へ設置した場合の年間予測発電量を照らし合わせます。

電気代が減っても管理費が自動的に下がるわけではない

共用部の電気料金支出が減れば、管理組合の収支改善につながる可能性があります。

ただし、その分を管理費の減額へ回すのか、修繕・管理費用へ充てるのかなどは管理組合側の別の判断です。

東京都のマンション太陽光|2026年度の主な助成制度

東京都では、令和8年度も住宅向け太陽光発電の助成が実施されています。

「家庭における太陽光発電導入促進事業」では、個人・法人だけでなく、太陽光発電システムを所有する管理組合も助成対象者に含まれます。

また、発電した電気の使用場所については、住宅部分であることが必要とされ、集合住宅の共用部分での使用も含むと手引きに明記されています。

令和8年度・太陽光発電システムの助成額

住宅発電出力助成額
新築3.6kW以下12万円/kW・上限36万円
新築3.6kW超10万円/kW
既存3.75kW以下15万円/kW・上限45万円
既存3.75kW超12万円/kW

対象となる太陽光発電システムは、同制度では発電出力50kW未満などの要件があります。

陸屋根の集合住宅には架台・防水工事の上乗せもある

対象工事対象助成額
架台設置陸屋根の集合住宅20万円/kW
防水工事既存集合住宅の陸屋根など所定条件を満たす場合18万円/kW
上記金額がそのまま必ず交付されるわけではありません。
助成対象経費、工事内容、建物の区分、発電出力、申請手続きなどの要件を満たした場合に算定されます。

原則、契約前に事前申込を確認

令和8年度の同事業では、原則として契約締結前に事前申込を行い、受付通知後に契約・工事へ進みます。

年度途中の特例や経過措置もあるため、実際の案件では契約日・工事日を確認したうえで最新の手引きを確認してください。

「都+区+国を全部足せる」とは限らない

国や区市町村の補助制度と組み合わせられる場合はありますが、単純な足し算ではありません。

東京都の同事業では、都・公社の同種の助成金との重複申請はできません。また国・区市町村等の補助金を受給した場合は、その受給額を助成対象経費から除くなどの調整があります。

マンションの所在地、設置方法、設備、PPA利用の有無などによって対象制度が変わります。補助金を前提に契約する前に、制度名と併給条件まで確認してください。

建物全体の再エネ100%化を行う別制度もある

東京都には「集合住宅における再エネ電気導入促進事業」もあります。

これは登録された高圧一括受電サービスなどを利用して、集合住宅全体へ再エネ100%電気を導入することなどが条件となる別の制度です。

通常の屋上太陽光とは要件が異なるため、マンションの受電方式や検討内容が合う場合に確認します。

このマンションでは、どの東京都助成を確認すればいい?

マンションの所在地、築年数、屋上形状、現在の受電方式、検討している設備などから、確認しておきたい制度を整理できます。

マンションの太陽光・補助金を相談する

制度の適用可否や実際の助成額は、申請条件・設備・時期によって異なります。

マンション屋上太陽光は「3/4の賛成」が必ず必要?

太陽光を共用部分へ設置する場合でも、「必ず区分所有者の3/4以上」と一律には判断できません。

2026年4月には改正区分所有法が施行され、マンション標準管理規約も改正されています。

共用部分の変更については、建物の形状または効用の著しい変更を伴うかどうかなどによって、必要な決議の扱いが変わります。

総会へ出す前に確認すること

  • 現在の管理規約
  • 太陽光設置が共用部分のどのような変更になるか
  • 架台・アンカー・防水工事の内容
  • 修繕積立金などを使用するか
  • PPA等で第三者へ屋上を利用させる契約になるか
  • 専有部分の使用へ特別な影響がないか
「太陽光だから特別決議」と先に決めないことが大切です。
管理会社、マンション管理士などと工事内容・契約内容・現在の管理規約を確認し、必要な決議方法を整理してください。

合意形成では「良いこと」だけでなくリスクも出す

総会や理事会では、電気代削減額だけを提示するより、費用とリスクを同じ資料で見せた方が判断しやすくなります。

  • 設備・工事費
  • 東京都等の助成金
  • 年間予測発電量
  • 共用部で使用すると見込む電力量
  • 余剰電力の扱い
  • 構造確認の結果
  • 防水工法と保証
  • 点検・修理費用
  • パワーコンディショナ等の更新
  • 大規模修繕時の扱い
  • 撤去・廃棄時の責任

マンション太陽光|自己所有とPPAはどう違う?

管理組合が自ら設備を購入する方法のほか、PPAなどの第三者所有型サービスを検討できる場合があります。

比較自己所有PPA等
設備所有管理組合等一般的にはサービス事業者
初期設備費管理組合等が負担一般的には事業者が負担
利用中の支払い購入後の月額設備料は通常なし電気料金・サービス料金等
保守所有者側で手配契約期間中は事業者対応となるプランがある
確認事項工事費・維持費・更新費契約期間・料金・途中解約・契約終了後

PPAは「初期設備費0円」とされるサービスがありますが、契約期間中の料金や利用条件があります。また建物条件によって別途工事費が必要となる場合もあります。

「修繕積立金を使わなくてよいからPPA」と決めず、自己所有した場合との総費用・責任分担を比較してください。

マンションのバルコニーへ個人で太陽光パネルを置ける?

区分所有者が個人的に小型太陽光パネルを利用する場合は、屋上太陽光とは別の確認が必要です。

バルコニーは自分だけの所有部分とは限らない

国土交通省のマンション標準管理規約では、バルコニーなどは共用部分に専用使用権を設定する代表例として示されています。

そのため、「自分の住戸の前だから自由に固定してよい」とは限りません。

設置前に確認したい内容

  • 管理規約・使用細則で設備設置が認められているか
  • 手すりや外壁へ固定してよいか
  • 避難ハッチをふさがないか
  • 隣戸との隔板付近をふさがないか
  • 強風時にも落下・飛散しない固定方法か
  • 下階・道路への落下リスクがないか
  • 反射光で周囲へ影響しないか

ポータブル利用と、住宅配線へ接続する太陽光は分けて考える

利用方法考え方
ポータブルパネル+ポータブル電源パネルからポータブル電源へ充電し、そこから対応機器を使用。建物の電力系統とは切り離して利用
住宅の配線・電力系統へ接続適切な設備・電気工事・系統連系などの確認が必要
「マイクロインバーターを普通のコンセントへ挿せば終わり」と考えないでください。
発電設備を電力系統へ接続する場合は、逆潮流の有無などに応じて系統連系の手続きが必要になります。購入前に電気工事店・販売事業者等へ確認してください。

また、マンションのバルコニーは火災時の避難経路として使われる場合があります。避難ハッチや隔板周辺をふさぐ設置は避けます。

管理組合でマンション太陽光を検討するときの順番

1

管理規約と長期修繕計画を確認

屋上の扱い、防水更新、大規模修繕予定などを先に確認します。

2

共用部の電力使用量を確認

直近12か月程度の請求書・使用量などを準備します。

3

屋上の現地調査

面積だけでなく、構造、防水、影、風、設備配置、排水を確認します。

4

自己所有・PPA等を比較

初期費用だけでなく、契約期間全体の費用と責任分担を確認します。

5

2026年度の助成制度を確認

東京都、区市町村、国等について、併給条件と申請時期まで確認します。

6

複数の条件を比較した資料を作る

設置容量、年間発電量、費用、助成金、防水・保守までまとめます。

7

必要な総会・理事会手続きを確認

管理規約と工事・契約内容をもとに必要な決議方法を確定します。

最初から「20kWを設置する」「PPAで契約する」と決めるより、建物・電力・制度の条件を確認してから候補を絞る方が進めやすくなります。

東京都のマンション太陽光でよくある質問

マンション管理組合でも東京都の太陽光助成を申請できますか?

令和8年度「家庭における太陽光発電導入促進事業」では、太陽光発電システムを所有する管理組合が助成対象者に含まれています。発電電力の使用場所には集合住宅の共用部分も含まれます。ただし設備・出力・申請時期などの要件があります。

東京都のマンション太陽光はいくら補助されますか?

令和8年度の家庭向け太陽光事業では、新築・既存、発電出力によって単価が異なります。既存住宅は3.75kW以下15万円/kW(上限45万円)、3.75kW超は12万円/kWなどが設定されています。陸屋根の集合住宅には架台・防水工事の上乗せ対象となる場合もあります。実際の助成額は個別確認が必要です。

東京都と区と国の補助金は全部併用できますか?

制度ごとに異なります。東京都の令和8年度太陽光事業では、都・公社の同種助成との重複申請はできません。国・区市町村等の助成を受ける場合も、対象経費からその金額を除くなどの調整があります。契約前に利用する制度の組み合わせを確認してください。

屋上太陽光は総会で3/4以上の賛成が必要ですか?

一律ではありません。共用部分の形状・効用に著しい変更を伴うか、現在の管理規約でどう定められているかなどによって扱いが変わります。2026年4月施行の改正区分所有法と現在の管理規約を確認し、管理会社やマンション管理士等へ確認してください。

築年数が古いマンションにも太陽光を付けられますか?

築年数だけでは決まりません。建物構造、屋上防水、劣化状態、今後の大規模修繕などを確認して判断します。構造・防水に問題がある場合は、太陽光設置より先に改修を検討することがあります。

PPAなら本当に初期費用0円ですか?

一般的なPPAでは太陽光設備の初期設置費をサービス事業者が負担する仕組みがあります。ただし、発電電力の利用料金、契約期間、途中解約、設備所有権、別途工事などの条件があります。契約期間全体で自己所有と比較してください。

バルコニーに小型パネルを置くなら管理組合の許可は不要ですか?

不要とは限りません。バルコニーは共用部分に専用使用権が設定されているケースが多いため、管理規約・使用細則を確認します。また避難ハッチ・隔板・落下防止など安全面にも配慮が必要です。

小型太陽光パネルをコンセントにつなげば部屋で使えますか?

住宅配線や電力系統へ発電設備を接続する場合は、「コンセントへ挿すだけ」と考えないでください。逆潮流の有無などに応じた系統連系手続きや、安全な設備・電気工事の確認が必要です。ポータブルパネルから独立したポータブル電源へ充電する使い方とは分けて考えます。

まとめ|マンション太陽光は「屋上面積」より先に確認することがある

東京都のマンションでも、管理組合による屋上・共用部への太陽光発電を検討できます。

2026年度は管理組合を対象者に含む東京都の助成事業もあり、条件を満たす集合住宅の陸屋根では架台・防水工事への上乗せ助成も設定されています。

検討開始時に集めたい情報

  • マンションの所在地
  • 築年数・構造
  • 管理規約
  • 長期修繕計画
  • 屋上・屋根の図面
  • 防水工事の時期・保証
  • 共用部の電気使用量・料金
  • 現在の受電方式
  • 自己所有・PPAの希望

この情報がそろえば、屋上へ何kW程度設置できそうか、どの東京都助成を確認すべきか、管理組合で次に何を検討すべきかを整理しやすくなります。

このマンションでは、太陽光を検討できる?

所在地、築年数、屋上の状況、共用部電気料金など、現在分かっている範囲から確認事項を整理できます。東京都の助成制度についても個別に確認します。

マンションの太陽光・補助金を相談する

実際の設置可否・容量・助成額・必要な決議は、建物・制度・管理規約等によって異なります。