九州だから太陽光発電が一律に有利、とは言い切れません。
九州には宮崎市のように日照時間が長い地域がありますが、福岡市や長崎市を含め、県庁所在地ごとの気象条件には差があります。また、太陽光の発電量は日照時間だけでは決まらず、屋根の向き・傾斜・影・設置容量・日射量なども関係します。
2026年度は住宅用太陽光のFITも新しい仕組みに変わっています。九州で検討するときは、「日照が多そう」という印象だけでなく、自宅の屋根条件、発電した電気をどのくらい家庭で使えるか、補助制度の有無まで分けて確認するのが現実的です。
九州7県の日照時間|県庁所在地の平年値
地域差を見るときは、特定の1年だけではなく、気象庁の1991~2020年の平年値を見ると比較しやすくなります。
| 県 | 観測地点 | 年間日照時間の平年値 |
|---|---|---|
| 福岡県 | 福岡 | 1,889.4時間 |
| 佐賀県 | 佐賀 | 1,970.5時間 |
| 長崎県 | 長崎 | 1,863.1時間 |
| 熊本県 | 熊本 | 1,996.1時間 |
| 大分県 | 大分 | 1,992.4時間 |
| 宮崎県 | 宮崎 | 2,121.7時間 |
| 鹿児島県 | 鹿児島 | 1,942.1時間 |
この7地点では宮崎の平年値が最も長く、長崎が最も短くなっています。九州の中だけでも250時間以上の差があるため、「九州ならどこでも同じ発電条件」と考えない方がよいでしょう。
日照時間は地域を見るための参考情報です。実際の発電量を考えるときは、日射量、屋根の方位・傾斜、周囲の影、システム損失なども確認します。
「4kWなら年間○kWh」と地域だけで決めない
同じ市内でも、屋根の条件が違えば発電量は変わります。南向きか東西向きか、近くの建物や樹木の影がかかるか、屋根の傾斜はどうかといった条件が影響します。
NEDOは、国内の日射量を確認できる「MONSOLA-20」「METPV-20」を公開しています。地域の気象条件を把握するには便利ですが、実際の住宅では屋根形状や設置可能面積も加えて確認する必要があります。
- 住所・地域の日射条件
- 屋根の方位と傾斜
- 周辺建物・樹木などの影
- 実際に設置できるパネル容量
- パワーコンディショナなどのシステム構成
発電量の計算方法や地域別の見方は、太陽光発電の発電量|計算方法と地域別の目安で詳しく確認できます。屋根の向きや角度については、太陽光発電の日照条件|方角・角度・日照時間の影響も参考になります。
2026年度の住宅用FITは「24円→8.3円」
2026年度にFIT認定を受ける10kW未満の住宅用太陽光は、初期投資支援スキームの対象です。
| 期間 | 2026年度の住宅用太陽光FIT |
|---|---|
| 1~4年目 | 24円/kWh |
| 5~10年目 | 8.3円/kWh |
以前のように、10年間ずっと同じ売電単価で計算する仕組みではありません。このため、長期の収支を考える場合は「最初の4年間」と「5年目以降」を分けて見る必要があります。
また、発電した電気を自宅で使った場合の価値は、契約している電気料金プランや時間帯によって変わります。売電だけでなく、自家消費による電気購入量の削減も含めて比較すると判断しやすくなります。
九州の出力制御|住宅用10kW未満はどう考える?
九州本土では、電力の需給バランスを保つために再生可能エネルギーの出力制御が行われています。九州電力送配電は、太陽光発電の接続量増加を背景に、2026年度から春季の制御時間を原則7時~17時へ拡大しています。
ただし、資源エネルギー庁は10kW未満の設備について、当面の間は出力制御の実施対象外としています。複数太陽光発電設備設置事業など例外はありますが、一般的な10kW未満住宅について「毎年3~5%発電が止まる」「年間数千円損する」と一律に計算するのは適切ではありません。
設備容量や認定・連系条件によって扱いが変わるため、自宅の設備がどのルールに該当するかは個別に確認してください。
制度や代理制御の仕組みについては、出力抑制とは?九州電力管内の影響と対策で詳しく整理しています。
九州で太陽光発電を検討するときの5つの確認
地域の日射条件だけでなく、自宅の屋根を見る
県や市の平均値よりも、実際の屋根の向き・影・設置面積が発電量に直接関係します。
何kW設置できるかを確認する
屋根面積や形状によって設置できる容量は変わります。地域平均の4kW・5kWをそのまま当てはめないようにします。
昼間の電気使用量を確認する
在宅時間、エコキュート、EVなどによって自家消費できる量が変わります。蓄電池が必要かどうかも、この使い方と合わせて考えます。
自治体の補助制度を確認する
補助金は県・市町村ごとに金額、対象設備、申請時期、併用条件が異なります。契約や着工前の申請が必要な制度もあります。
見積もりと発電シミュレーションをセットで見る
設備価格だけでなく、設置容量、想定発電量、自家消費量、FITの期間別単価を分けて確認します。
お住まいの市区町村や住宅の状況をもとに、現在公開されている補助制度を確認して整理します。
利用できる補助制度を確認する補助金の情報だけ知りたい場合でも大丈夫です。見積もりや設置相談は、ご希望がある場合に対応します。
九州の太陽光発電でよくある質問
九州は太陽光発電に向いていますか?
宮崎のように日照時間が長い地点はありますが、九州内でも地域差があります。また、実際の発電量は日射量や屋根条件で変わるため、九州という地域名だけでは判断できません。
九州7県で日照時間が長いのはどこですか?
気象庁の1991~2020年平年値を県庁所在地で比較すると、この7地点では宮崎が年間2,121.7時間で最も長くなっています。
2026年度の住宅用太陽光の売電単価はいくらですか?
10kW未満の住宅用太陽光は、1~4年目が24円/kWh、5~10年目が8.3円/kWhの初期投資支援スキームです。
九州では住宅用太陽光も出力制御されますか?
資源エネルギー庁は10kW未満設備を当面の間、出力制御の実施対象外としています。ただし複数太陽光発電設備設置事業など例外があるため、設備条件によって確認が必要です。
九州なら何年で元が取れますか?
設置費、屋根条件、発電量、電気の使い方、補助金、FIT認定時期で変わるため、一律の回収年数は出せません。見積金額と自宅条件を使って試算する必要があります。
国・県・市町村の補助金は全部併用できますか?
制度ごとに異なります。併用できる制度もありますが、国費を財源とする補助金同士の重複を認めない制度や、交付決定前の着工を対象外とする制度もあります。利用予定の制度ごとに確認してください。
まとめ|九州の地域差と自宅条件を分けて確認する
- 九州7県の県庁所在地でも年間日照時間には差がある
- 日照時間だけで実際の太陽光発電量は決まらない
- 2026年度の住宅用FITは1~4年目24円、5~10年目8.3円/kWh
- 九州本土では再エネ出力制御が行われている
- 一般的な10kW未満設備は、当面の間は出力制御の実施対象外
- 補助金は自治体と設備条件によって変わるため個別確認が必要
九州で太陽光発電を検討するときは、「日照が多いから得」「出力制御があるから損」とどちらか一方で決めるのではなく、自宅の屋根条件と電気の使い方、現在の制度を分けて確認すると判断しやすくなります。
住所や建物の種類、検討している設備をもとに、公的機関の公開情報から対象になりそうな制度と確認事項を整理します。
補助金について無料で相談する調査結果を確認したうえで、必要な場合のみ見積もりや設置についてご相談いただけます。
情報確認日:2026年8月12日
