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「九州で太陽光の出力抑制が起きてるって本当?」
福岡で太陽光を検討しているなら、一度は「出力抑制」という言葉を聞いたことがあるかもしれない。「せっかく発電してるのに止められるの?損するんじゃ?」と不安になりますよね。
結論から。住宅用(10kW未満)への影響は限定的。年間売電収入の減少は数百円〜数千円レベル。ただし九州は全国で最も出力抑制が多い地域。仕組みと対策を知っておくに越したことはありません。
SECTION 01
出力抑制の仕組み
電気は「需要(使う量)」と「供給(作る量)」を常に一致させる必要がある。一致しないと周波数が乱れ、最悪の場合大規模停電が起きる。
春や秋の晴天日は、太陽光の発電量が急増する一方、冷暖房の需要は少ない。供給が需要を大幅に上回ると、電力会社は太陽光の出力を一時的に抑制(カット)する。これが出力抑制。
出力抑制が起きやすい条件
| 季節 | 春(3〜5月)・秋(10〜11月) |
| 天候 | 晴天で発電量が最大になる日 |
| 曜日 | 祝日・GW・年末年始(工場・オフィスの需要が低い) |
| 地域 | 九州・四国・北海道・東北(太陽光の導入量が多い地域) |
九州はなぜ多い?
九州電力管内は日照条件が良く、太陽光の導入量が全国トップクラス。加えて原子力発電所(川内・玄海)が稼働しており、ベースロード電源が多い。太陽光の供給力が大きい+ベースロードが多い=出力抑制が起きやすい。
2023年度の九州電力管内の出力抑制回数は年間約90回以上(九州電力 出力制御実績)。全国で最も多い。
SECTION 02
住宅用への影響はどのくらい?
影響は限定的。その理由を3つ説明します。
- 1
出力抑制の対象順位が違う
出力抑制は「大規模事業用 → 小規模事業用 → 住宅用」の順番で実施される。住宅用(10kW未満)は最後に抑制されるため、実際に止められる頻度は少ない。
- 2
自家消費分は抑制されない
出力抑制の対象は「余剰売電」のみ。自宅で使っている電気(自家消費分)は止められない。自家消費率が高いほど、出力抑制の影響は小さい。
- 3
抑制時間は限定的
抑制されるのは主に10:00〜16:00の数時間。1日中止まるわけではない。年間で見ると、住宅用の発電量に対する影響は2〜5%程度。
売電収入への影響を数字で
5kWシステム・福岡市の場合
| 出力抑制なし | 出力抑制あり(年5%減) | |
|---|---|---|
| 年間発電量 | 5,400kWh | 5,130kWh |
| 売電量(自家消費35%後) | 3,510kWh | 3,335kWh |
| 売電収入(16円) | 56,160円 | 53,360円 |
| 年間の差 | ▲2,800円 | |
年間約2,800円の減少。月にすると約230円。「出力抑制で損する」というのは間違いではないが、太陽光のメリット(年間11万円以上)に対して2.5%程度。全体の損得を覆すほどの影響ではない。
電気工事士の視点
福岡のお客様から「出力抑制が心配」と言われることがありますが、実際に設置した後に出力抑制を気にしている方はほぼいない。年間2〜3千円の影響と、年間11万円以上のメリット。比較すれば答えは明白。それよりも「出力抑制が怖いから設置しない」ことで年間11万円のメリットを丸ごと逃す方がよほど損です。
SECTION 03
出力抑制への対策3つ
- 1
蓄電池で余剰電力を貯める【最も効果的】
出力抑制で売電できない時間帯の余剰電力を蓄電池に充電。夜に使えば抑制の影響をほぼゼロにできる。しかも蓄電池は出力抑制対策だけでなく、卒FIT対策・停電対策にもなるので一石三鳥(→ 蓄電池は必要?)。
- 2
自家消費率を上げる
抑制されるのは余剰売電分だけ。エコキュートの昼運転、家電の昼間シフトで自家消費率を上げれば、余剰電力自体が減り、出力抑制の影響も減る(→ 自家消費率の上げ方)。
- 3
出力制御対応パワコンを選ぶ
2015年以降のFIT認定では出力制御対応パワコンが義務化。最新のパワコンなら、電力会社からの制御信号に自動対応。手動での操作は不要です。
SECTION 04
よくある質問(FAQ)
SUMMARY
まとめ
- 出力抑制は電力の需給バランスを保つための措置
- 九州は年間90回以上で全国最多。ただし住宅用への影響は限定的
- 住宅用の売電収入への影響は年間2〜3千円(メリット全体の2.5%)
- 自家消費分は出力抑制の対象外。止められるのは余剰売電のみ
- 蓄電池で余剰電力を貯めれば影響をほぼゼロにできる
- 出力抑制を理由に見送ると年間11万円のメリットを全て失う
出力抑制は「知っておくべきリスク」だけど「太陽光を諦めるべき理由」ではない。年間2〜3千円の影響と、年間11万円以上のメリット。冷静に数字で比較すれば、答えは明らかです。
電気工事士 緒方より
九州で太陽光を設置するなら、出力抑制は正直に説明すべきリスクです。でも影響額を計算すると、お客様は全員「それだけ?」という反応。年間2〜3千円のリスクを気にして11万円のメリットを逃す方が、よほどもったいない。蓄電池をセットにすれば出力抑制の影響すらゼロにできる。九州だからこそ日照条件は全国トップクラス。出力抑制を差し引いても、福岡は太陽光に最適な地域です。
