FIP制度とは?FITとの違い・対象・住宅用太陽光との関係【2026年】

FIP制度とFIT制度の違い、市場価格連動やプレミアムの仕組み、住宅用太陽光への影響をまとめたイメージ【2026年版】
情報確認日:2026年8月13日

太陽光発電を調べていると、FITと一緒に「FIP制度」という言葉を見かけることがあります。

FIP制度は、再生可能エネルギーで発電した電気を市場などで売った収入に、一定の方法で算定したプレミアムを上乗せする制度です。 2022年4月に始まり、FITよりも電力市場を意識して再エネを取引する仕組みになっています。

ただし、一般的な住宅用太陽光10kW未満を検討している方が、2026年にFIPを選ぶという話ではありません。

2026年度の住宅用太陽光10kW未満にはFITの初期投資支援スキームが設定されており、1〜4年目24円/kWh、5〜10年目8.3円/kWhです。

また「FITの10年間が終わるとFIPへ移る」という仕組みでもありません。このページでは、FITとFIPを混同しないために、2026年現在の制度を分かりやすく整理します。

FIP制度とは?市場での売電収入にプレミアムを加える仕組み

FIPは「Feed-in Premium」の略です。

FITでは、国が定めた調達価格をもとに一定期間の買取が行われます。

一方、FIPでは発電事業者が市場取引や相対取引などによって電気を売り、その売却収入とは別にプレミアムの交付を受ける仕組みです。

1

再生可能エネルギーで発電

太陽光・風力などで電気を発電します。

2

市場や相対取引などで電気を売る

FIPでは発電事業者側が市場を意識した電力取引を行います。

3

プレミアムが交付される

基準価格と参照価格などをもとに算定されたプレミアムが交付されます。

FIPは「市場価格に一定額を固定で上乗せする制度」ではありません。プレミアム単価は基準価格・参照価格などをもとに算定されます。

FIT制度とFIP制度の違い

比較FITFIP
制度の考え方一定の調達価格で買い取る市場等での売却+プレミアム
売電収入調達価格をもとに予測しやすい市場・契約条件などの影響を受ける
市場との関係売電単価は市場価格へ直接連動しない市場を意識した取引となる
発電計画・需給管理FIPとは扱いが異なる計画値と実績値を合わせるバランシングが関係する
住宅用10kW未満2026年度もFITの対象一般的な住宅用として通常検討する制度ではない

FIPが始まった目的の一つは、再生可能エネルギーを固定価格による支援だけでなく、電力市場を意識して供給する電源へ移行させていくことです。

そのため、FIP事業ではFITよりも市場価格や発電計画、電力取引に関する対応が必要になります。

FIPの「プレミアム」はどう決まる?

FIPを理解するときは、「基準価格」と「参照価格」という2つの言葉を押さえると分かりやすくなります。

用語意味
基準価格FIP制度における支援水準の基準となる価格
参照価格卸電力市場や非化石価値など、市場取引で期待される収入を踏まえて算定される価格
プレミアム基準価格と参照価格などをもとに算定され、発電事業者へ交付される金額

実際のFIP事業者の収入は、電力そのものを売って得る収入と、FIP制度によるプレミアムを合わせて考えます。

「市場価格が高い日は、そのままFITより必ず高収入になる」とは限りません。
プレミアムの算定や電力の販売契約、発電計画とのずれによる費用なども関係します。

2026年はどの太陽光発電がFIPに関係する?

2026年の太陽光発電では、「50kWを超えたら全部FIP」と単純に分けることはできません。

経済産業省の2026年度資料では、事業用太陽光について規模・設置形態・条件ごとにFIT、FIP、入札の扱いが分かれています。

2026年度の太陽光で押さえておきたいこと

  • 住宅用10kW未満にはFITの初期投資支援スキームがある
  • 事業用太陽光では規模・設置形態・条件によってFIT・FIPの扱いが異なる
  • 一定の条件を満たす事業用太陽光では50kW未満でもFIP認定が認められる場合がある
  • 2026年度の地上設置太陽光では、FIP認定対象のうち250kW以上が入札対象
  • 屋根設置太陽光は地上設置とは異なる支援区分が設けられている

事業用設備についてFIPを検討する場合は、容量だけでなく、屋根設置か地上設置か、新規認定か既認定設備からの移行かなども確認する必要があります。

2027年度以降について

経済産業省は、事業用太陽光の地上設置について、2027年度以降は原則としてFIT・FIP制度の新規支援対象外とする方針を公表しています。

一方、住宅用太陽光や屋根設置太陽光には、現在公表されている2027年度の支援区分があります。

住宅用太陽光にはFIP制度はどう関係する?

一般的な戸建住宅で10kW未満の太陽光を検討している方は、2026年度はまずFIT制度を確認します。

2026年度住宅用10kW未満FIT価格
1〜4年目24円/kWh
5〜10年目8.3円/kWh

これは、初期の投資回収を支援するため、前半4年間を高く設定し、後半6年間を低くする「初期投資支援スキーム」です。

そのため、住宅用太陽光を検討している方がFIP制度の市場取引やプレミアムを前提に収支計算する必要は通常ありません。

すでに太陽光を設置している住宅には、その設備が認定を受けた年度の条件が適用されています。2026年度の24円・8.3円を既設設備へそのまま当てはめることはできません。

FIPと卒FITは別の話|FIT終了後にFIPへ移るわけではない

「FITの次がFIP」という説明を見ると、住宅用FITの10年間が終わったあと、自動的にFIPへ切り替わるように感じるかもしれません。

住宅用の卒FITとFIP制度は分けて考えてください。

言葉意味
卒FIT住宅用太陽光などで、固定価格による買取期間が満了すること
FIP市場等での電力売却収入にプレミアムを加える再エネ支援制度

住宅用太陽光が卒FITを迎えた後は、主に次の2方向から考えます。

  • 発電した電気を自宅で使う
  • 余剰電力を小売電気事業者などへ自由契約で売る

「卒FITしたのでFIP申請をする」という一般家庭向けの手続きではありません。

「FIT制度は2032年で終わる」は正しい?

2026年現在、住宅用FITについて「2032年度で新規認定を一律終了する」と公表されているわけではありません。

「2032年」という数字は、制度開始初期に認定された事業用太陽光の買取期間が順次満了していく時期や、再エネ賦課金の将来見通しなどの資料で登場しています。

住宅用FITの終了期限として読み替えないよう注意してください。

2026年8月現在確認できること

経済産業省は、2026年度の住宅用太陽光10kW未満について24円→8.3円の初期投資支援スキームを設定し、2027年度についても住宅用太陽光の支援区分を公表しています。

将来の制度変更を予測して「FITがなくなる前に急いで契約する」と考えるのではなく、契約する時点で公表されている制度と自宅の設備条件を確認する方が安全です。

FIPで出てくる「アグリゲーター」「バランシング」とは?

バランシング

FIPでは、発電事業者があらかじめ発電量の計画を作り、実際の発電量とのずれを管理することが関係します。

計画値と実績値に差が出ると、インバランスに関する費用が生じる場合があります。

天候によって発電量が変わる太陽光では、こうした需給管理もFIP事業の一部になります。

アグリゲーター

発電事業者がすべての市場取引・発電予測・需給管理を自社で行うとは限りません。

複数の発電設備などをまとめ、電力取引や需給管理を支援するアグリゲーターを利用する方法があります。

一般的な戸建住宅で2026年度の住宅用FITを利用する場合、FIP事業者と同じ市場取引・バランシングを家庭で行うという話ではありません。

FIP制度についてよくある質問

住宅用太陽光もFIP制度の対象ですか?

一般的な住宅用10kW未満について、2026年度はFIT制度の初期投資支援スキームが設定されています。FIPを前提に家庭の売電収入を計算する必要は通常ありません。

50kW以上ならすべてFIPですか?

容量だけでは判断できません。2026年度は太陽光の規模、屋根設置・地上設置、認定条件などによってFIT・FIP・入札の扱いが異なります。また、一定条件を満たす事業用太陽光では50kW未満でもFIP認定が認められる場合があります。

FIPは市場価格が高い時間に売れば必ず儲かりますか?

市場価格だけでは決まりません。実際の電力売却収入、プレミアム、発電計画と実績のずれ、取引契約などが関係します。FIPは市場を意識した運用を促す制度ですが、特定の時間に売れば必ず収入が増えると保証するものではありません。

FITが終わったらFIPへ移行しますか?

住宅用太陽光のFIT期間満了後に、自動的にFIPへ移行する仕組みではありません。卒FIT後は、自家消費を増やす方法や、小売電気事業者等との自由契約による余剰売電などを比較します。

住宅用FITは2032年でなくなりますか?

2026年8月現在、住宅用FITについて「2032年度で新規認定を一律終了する」と公表されているわけではありません。2032年という数字は、過去の事業用FIT設備の買取期間満了や再エネ賦課金の見通しなどで使われています。現在公表されている制度を確認してください。

2026年度の住宅用FITはいくらですか?

2026年度に新規認定される住宅用太陽光10kW未満は、1〜4年目が24円/kWh、5〜10年目が8.3円/kWhです。すでに設置済みの設備には、認定を受けた年度の条件が適用されます。

2027年から太陽光のFIT・FIPはなくなりますか?

すべての太陽光が対象外になるわけではありません。現在公表されている内容では、事業用太陽光の地上設置は2027年度以降、新規のFIT・FIP支援対象外となります。一方、住宅用太陽光や屋根設置太陽光には2027年度の支援区分が示されています。

まとめ|住宅ユーザーはFIPとFIT・卒FITを分けて考える

FIP制度は、再生可能エネルギーを電力市場へ統合していくため、2022年4月に始まった制度です。

FITのような固定価格買取とは異なり、発電事業者が市場や相対取引などで電気を販売し、その収入に加えてプレミアムの交付を受ける仕組みです。

住宅所有者が押さえておきたいこと

  • FIPとFITは別の支援制度
  • 2026年度の住宅用10kW未満はFITが基本
  • 2026年度FITは1〜4年目24円、5〜10年目8.3円
  • FIPは「50kW以上」と容量だけで単純に区切れない
  • 2026年度の地上設置250kW以上はFIP入札対象
  • 卒FITした住宅が自動的にFIPへ移るわけではない
  • 住宅用FITが2032年度で一律終了すると決まっているわけではない

戸建住宅で太陽光を検討している場合、FIPの市場取引まで理解してから契約する必要はありません。まず確認したいのは、自宅へ適用されるFIT条件、設置できる容量、見積金額、補助制度です。

自宅の場合、FITや補助制度はどうなる?

住所、太陽光の設置容量、申請時期、現在の見積もりなどから、確認しておきたい制度や条件を整理できます。

太陽光・FIT・補助制度について相談する

適用される制度・価格・補助金は、設備容量や申請時期などによって異なります。