情報確認日:2026年8月14日
太陽光発電の訪問販売を受けても、その場で契約する必要はありません。会社名・訪問目的・設備内容・見積もり・発電シミュレーションを確認し、いったん持ち帰って比較してから判断できます。
訪問販売そのものが違法というわけではありません。一方、特定商取引法では、事業者が勧誘を始める前に事業者名や勧誘目的を伝えること、消費者が契約する意思がないと示した後に勧誘を続けたり再勧誘したりしないことなどのルールが定められています。
すでに訪問販売で契約している場合も、法定書面を受け取った日を1日目として8日以内であれば、クーリングオフできる場合があります。
- 会社名と訪問目的を確認する
- その場で契約・申込みをしない
- 見積書と発電シミュレーションを持ち帰る
- 価格だけでなく設備・工事・保証まで比較する
- 契約済みなら法定書面を受け取った日を確認する
太陽光発電の訪問販売は違法?特定商取引法のルール
事業者が住宅を訪問し、太陽光発電・蓄電池などの購入や設置工事を勧誘して契約する取引は、一般に特定商取引法の「訪問販売」に該当する場合があります。
特定商取引法では、訪問販売をする事業者に対して複数のルールを設けています。
勧誘を始める前に会社名・目的などを伝える
事業者は勧誘に先立って、消費者へ次の事項を告げなければなりません。
- 事業者の氏名・名称
- 契約の勧誘を目的として訪問したこと
- 販売しようとしている商品・役務の種類
明確に断った後の勧誘継続・再勧誘は禁止
消費者が「契約しません」「勧誘は不要です」など契約する意思がないことを示した場合、その訪問で勧誘を続けたり、その後改めて勧誘したりすることは禁止されています。
虚偽説明や威迫も禁止されている
契約させるために事実と異なることを説明したり、重要な事実を故意に説明しなかったり、消費者を威迫して困惑させる行為も特定商取引法で規制されています。
太陽光の訪問販売で警戒したい6つの勧誘
次の言葉が出たからといって、その会社が直ちに悪質業者と確定するわけではありません。ただし、契約を急がず事実確認をした方がよいサインです。
国民生活センターには、電力会社の関連会社を名乗って「電気料金が安くなる」と勧誘された相談事例があります。
本当に提携・委託関係があるか気になる場合は、訪問者が示した連絡先だけで判断せず、名乗られた電力会社等の公式情報から確認します。
実際に期限付きのキャンペーンや制度はありますが、その場で確認できない期限を理由に即決する必要はありません。
見積書・会社情報を持ち帰り、期限の根拠を確認してから判断します。
太陽光による電気代削減は、住宅の電力使用量、発電量、自家消費量、電気料金などで変わります。
「必ず○円になる」と言われた場合は、年間発電量、自家消費量、売電量、買電単価など計算の前提を確認してください。
補助制度には予算・期限がありますが、制度名、実施主体、受付期間、申請条件を公的サイトで確認できます。
「今日契約しないともらえない」と言われても、契約と補助金申請の順番を含めて確認します。
発電量は季節・天候・屋根条件などで変わります。設備費だけでなく、保証、点検、故障時の対応、将来の機器交換なども確認しておきたい項目です。
契約する意思がないことを明確に示した後の勧誘継続・再勧誘は、特定商取引法で禁止されています。
太陽光の訪問販売を断るときの言い方
契約するつもりがない場合、理由を詳しく説明する必要はありません。
「他社と契約しています」「家族が電気工事士です」などの理由を作るより、契約意思がないことを明確に伝える方が分かりやすくなります。
「契約する意思はありません。勧誘はお断りします。」
「今日は契約しません。見積書だけ置いてください。」
「契約しません。お帰りください。今後の勧誘も不要です。」
契約意思がないことを明確に示した後の勧誘継続・再勧誘は禁止されています。身の危険や強い恐怖を感じる場合は、安全を優先してください。
訪問販売の見積もりは「kW単価だけ」で高い・安いを決めない
訪問販売だから高額、30万円/kWを超えたら悪質、40万円/kWなら違法、といった一律の判定はできません。
まず、太陽光だけの見積もりなのか、蓄電池や屋根工事まで含まれているのかを確認します。
| 確認項目 | 見る内容 |
|---|---|
| 設置容量 | 太陽光パネルを何kW設置するか |
| パネル | メーカー・型番・枚数 |
| パワコン | メーカー・型番・容量・台数 |
| 工事費 | 何が「一式」に含まれているか |
| 足場・屋根 | 足場、補修、防水等を含むか |
| 蓄電池等 | 太陽光以外の設備が含まれているか |
| 保証 | 機器・施工保証の対象と期間 |
| 発電試算 | 年間発電量、自家消費量、売電量等の前提 |
kW単価は比較の入口として便利ですが、蓄電池・V2H・屋根工事などが含まれる見積もりを太陽光容量だけで割ると、正しい比較にならないことがあります。
訪問販売で契約してしまったら|クーリングオフは8日以内
一般の消費者が訪問販売で太陽光発電・蓄電池等を契約し、特定商取引法の対象になる場合、法定書面を受け取った日を1日目として8日以内であれば、クーリングオフできる場合があります。
クーリングオフは、理由を説明して事業者の了承をもらう制度ではありません。
通知は書面または電磁的記録で行える
現在は郵送だけでなく、電磁的記録によるクーリングオフも認められています。
- ハガキ・書面
- 電子メール
- FAX
- 事業者が用意したクーリングオフ用Webフォーム等
まず契約書を確認し、通知先や通知方法が記載されていれば、それを確認して手続きします。
通知した証拠を残す
後から「通知を受けていない」と言われないよう、証拠を残しておくことが大切です。
- 郵送前の書面をコピー・撮影しておく
- 特定記録郵便、書留、内容証明郵便等を利用する
- 電子メールなら送信済みメールを保存する
- Webフォームなら送信画面を保存・スクリーンショットする
工事が始まっていてもクーリングオフできる?
「工事が始まったからクーリングオフできない」とは限りません。
訪問販売に該当し、クーリングオフできる期間内であれば、役務がすでに提供されていても、それだけを理由にクーリングオフできなくなるわけではありません。
消費者庁は、クーリングオフした場合について、消費者は損害賠償・違約金を支払う必要がなく、建物等の現状が変更されている場合は無償で元へ戻すよう求めることができると案内しています。
設備・ローン・施工契約など複数の契約が関係している場合があります。自己判断だけで進めず、消費生活センター等へ契約書を見せて確認する方法があります。
8日を過ぎていたら、もう解約できない?
8日を過ぎているという理由だけで、すべての手段がなくなるとは限りません。
例えば、国民生活センターでは、法定書面を受け取っていない場合についてクーリングオフできると案内しています。
また、クーリングオフについて事実と違う説明をされたり、威迫されて困惑し、期間内にクーリングオフできなかった場合には、期間経過後でもクーリングオフできる場合があります。
勧誘時の不実告知や重要事項の故意の不告知によって誤認して契約した場合には、特定商取引法上の取消しが問題になることもあります。
契約書で確認しておきたい内容
特定商取引法では、訪問販売の契約書面に記載すべき事項が定められています。
太陽光・蓄電池の契約をしたら、少なくとも次の内容が確認できるか見てください。
- 販売会社の名称・住所・電話番号・代表者
- 契約を担当した人の氏名
- 契約年月日
- 商品名・メーカー・型式・数量
- 販売価格と支払方法
- 商品の引渡し・工事時期
- クーリングオフに関する記載
- 解約条件・その他の特約
契約書を受け取っていない、記載内容が説明と違う、空欄が多いなど気になることがあれば、その状態のまま相談窓口へ確認してください。
訪問販売の契約で困ったときは「188」へ相談
太陽光・蓄電池の訪問販売について、クーリングオフできるか分からない、8日を過ぎている、業者と連絡が取れないなどの問題がある場合は、消費生活相談窓口へ相談できます。
地方公共団体が設置している身近な消費生活センター・消費生活相談窓口を案内する全国共通の番号です。
契約書や見積書、営業資料、メール・SMS等が残っていれば、相談時に確認できるよう用意しておきます。
太陽光発電の訪問販売でよくある質問
まとめ|訪問販売は「その場で契約しない」だけでも確認する時間を作れる
太陽光発電や蓄電池は高額になることがあるため、訪問を受けたその日に判断する必要はありません。
- 訪問販売そのものが違法なわけではない
- 事業者は勧誘前に会社名・目的・商品の種類を伝える必要がある
- 契約意思がないと示した後の勧誘継続・再勧誘は禁止されている
- 電力会社等との関係は会社名だけで判断せず確認する
- 「今日だけ」「必ず得する」など即決を求める説明は持ち帰って確認する
- 訪問販売だから高いと決めつけず、同じ設備条件で見積もりを比較する
- 訪問販売のクーリングオフは法定書面受領日を1日目として8日以内が基本
- クーリングオフは書面だけでなく電磁的記録でも可能
- 工事開始後でもクーリングオフできる場合がある
- 8日を過ぎた場合も自己判断で諦めず相談する
現在手元に見積書がある場合は、総額だけでなく容量、型番、工事内容、保証、発電シミュレーションを整理すると比較しやすくなります。
確認した主な公的情報
- 消費者庁|特定商取引法ガイド「訪問販売」
- 消費者庁|電磁的記録によるクーリング・オフに関するQ&A
- 国民生活センター|訪問販売で太陽光発電設備と家庭用蓄電池を契約した。解約したい。
- 国民生活センター|「電気代が安くなる」と太陽光発電設備の設置を勧誘された
- 国民生活センター|家庭用蓄電池の勧誘トラブルにご注意!
- 消費者庁|消費者からの問合せ窓口
情報確認・改訂:2026年8月14日
※クーリングオフや契約取消しの可否は、契約方法、書面の交付状況、勧誘時の説明など個別事情によって異なる場合があります。具体的な契約トラブルについては消費生活センター等へご相談ください。
