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「FIT42円の時代に付けておけばよかった」
会社の先輩にそう言われて、検索した。
2026年の売電単価を見て、がっかりした。
でも、ちゃんと計算してみたら──話が全然違った。
2012年のFIT開始当初は売電単価42円/kWh。「売電で住宅ローンが払える」と言われた時代です。2026年は新FIT制度で初期4年間が24円/kWh、5年目以降は8.3円/kWh。売電だけ見ると「もう遅い」と思うかもしれません。
でも結論は真逆です。
「売電単価が下がったから太陽光は遅い」──実はこれ、よくある誤解です。売電単価が下がった分、パネル価格は70%以上下落し、電気代は30%以上上がっている。投資回収年数はほぼ変わっていません。
2026年の売電の実態【新FIT制度・2026年2月時点】
| 新FIT売電単価(初期4年間) | 24円/kWh |
| 新FIT売電単価(5年目以降) | 8.3円/kWh |
| 買電単価(九電従量) | 約31円/kWh |
| ポイント | 5年目以降は「売るより使う」が圧倒的に得 |
初期4年間は24円で売電できるため、ここで投資回収を加速する。5年目以降は8.3円まで下がるので、自家消費にシフトした方が得。つまり2026年の太陽光は「初期は売電で回収を加速、中期以降は自家消費で節約」のハイブリッド戦略。売電はオマケではなく、フェーズごとに役割が変わるんです。
SECTION 01
FIT売電単価の推移(2012〜2026年)
「数字の羅列は苦手…」と思いましたか。大事なのは最後の3行だけ。まずはざっと眺めてください。
| 年度 | 売電単価(10kW未満) | 制度 |
|---|---|---|
| 2012年 | 42円/kWh | 旧FIT(10年固定) |
| 2014年 | 37円/kWh | 旧FIT(10年固定) |
| 2016年 | 31円/kWh | 旧FIT(10年固定) |
| 2018年 | 26円/kWh | 旧FIT(10年固定) |
| 2020年 | 21円/kWh | 旧FIT(10年固定) |
| 2022年 | 17円/kWh | 旧FIT(10年固定) |
| 2024年 | 16円/kWh | 旧FIT(10年固定) |
| 2025年10月〜 | 24円/kWh(初期4年)→ 8.3円(5年目〜) | 新FIT(2段階制) |
14年で42円→24円(初期4年)。下がったのは事実。でも同じ期間でパネル価格は約70%下落している。売電単価が下がっても、設置費用が下がっているので投資回収年数はほぼ変わらない。これが「もう遅い」が間違いである数字の根拠です。
さらに見逃せないのが買電単価の上昇。2012年の買電単価は約24円。2026年は約31円。自家消費の価値は14年で30%以上上がっている。売電単価が下がった分、自家消費の価値が上がってカバーしているんです。
SECTION 02
売電収入のシミュレーション(福岡・5kW・新FIT)
福岡市早良区 Oさん(4人家族・5kWシステム・自家消費率35%)
新FIT制度での年間メリットはいくら?
初期4年の年間メリット
約14.4万円
5年目以降の年間メリット
約8.7万円
初期4年間:自家消費1,890kWh×31円=5.9万円 + 売電3,510kWh×24円=8.4万円 = 14.4万円。5年目以降:自家消費5.9万円 + 売電3,510kWh×8.3円=2.9万円 = 8.7万円。※実績に基づくイメージです
初期4年間の内訳(自家消費率35%)
| 発電量 | 金額 | |
|---|---|---|
| 年間発電量 | 5,400kWh | — |
| 自家消費分(35%) | 1,890kWh | 節約 5.9万円(31円×1,890) |
| 売電分(65%) | 3,510kWh | 収入 8.4万円(24円×3,510) |
| 年間メリット合計(初期4年) | 約14.4万円 |
5年目以降の内訳(自家消費率35%)
| 発電量 | 金額 | |
|---|---|---|
| 自家消費分(35%) | 1,890kWh | 節約 5.9万円(変わらず) |
| 売電分(65%) | 3,510kWh | 収入 2.9万円(8.3円×3,510) |
| 年間メリット合計(5年目〜) | 約8.7万円 |
新FIT制度のポイントは初期4年間で投資回収を加速できること。初期4年で年14.4万円×4年=57.6万円。ここで設置費用の半分以上を回収できる計算。
蓄電池ありの場合──5年目以降が大きく変わる
5年目以降は売電8.3円。でも自家消費なら31円で使える。つまり蓄電池で自家消費率を上げれば、5年目以降のメリット減少を大幅に抑えられます。
蓄電池あり(自家消費率70%に向上)の場合
5年目以降のメリットが蓄電池で激変
蓄電池なし(5年目〜)
約8.7万円/年
蓄電池あり(5年目〜)
約12.9万円/年
蓄電池で自家消費率70%に向上 → 自家消費3,780kWh×31円=11.7万円 + 売電1,620kWh×8.3円=1.3万円 = 約12.9万円。蓄電池なしとの差は年間+4.2万円。※概算シミュレーションです
蓄電池を後から追加するのも一つの手。初期4年間は売電24円なので「売った方が得」な場面も多い。4〜5年目に蓄電池を後付けして自家消費にシフトするのが、新FIT制度では合理的な戦略です。
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SECTION 03
卒FIT後の売電収入はどうなる?
新FIT制度は10年間。10年が経つと固定買取がなくなり、売電先と単価が変わります。
| 売電先 | 売電単価 | 特徴 |
|---|---|---|
| 九州電力(デフォルト) | 7円/kWh | 手続き不要。自動切替 |
| 新電力A社 | 8〜10円/kWh | 手続き必要。条件あり |
| 新電力B社 | 9〜11円/kWh | 蓄電池セット条件のケースも |
| 自家消費(蓄電池) | 31円/kWh相当 | 最も経済的 |
卒FIT後は売電7円。新FIT5年目以降の8.3円よりさらに低い。7円で売るより31円で使う方が4.4倍得。これが「卒FIT後は蓄電池」と言われる理由です。
新FIT制度での10年間トータル比較
5kWシステム・10年間の累計メリット比較
| 太陽光のみ | 太陽光+蓄電池 | |
|---|---|---|
| 初期4年間(計) | 57.6万円 | 57.6万円 |
| 5〜10年目(計) | 52.2万円 | 77.4万円 |
| 10年間合計 | 109.8万円 | 135.0万円 |
※蓄電池は5年目から導入した想定。蓄電池の費用は含まず。概算シミュレーションです
蓄電池を5年目から入れた場合、10年間で約25万円の差。さらに11年目以降も蓄電池ありの方がメリットが大きい。蓄電池の投資回収も含めたトータルで判断するのが大切です。
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SECTION 04
よくある質問
SUMMARY
まとめ
冒頭の話を、もう一度。
「FIT42円の時代に付けておけばよかった」──あの先輩の言葉。ちゃんと計算してみたら、2012年に42円で設置した人と、2026年に新FITで設置する人の投資回収年数はほぼ同じ。「もう遅い」は数字が否定しています。
この記事を読んだあなたは、もう「売電単価が下がったから遅い」という思い込みに惑わされる側にはいません。
この記事のポイント
- 新FIT制度の売電単価は初期4年24円、5年目以降8.3円(2026年2月時点)
- 5kWシステムの年間メリットは初期4年で約14.4万円、5年目以降約8.7万円
- 初期4年間で設置費用の半分以上を回収可能
- 5年目以降は「売るより使う」が圧倒的に得 → 蓄電池で自家消費率UP
- 蓄電池ありなら5年目以降も年間約12.9万円のメリット
- 「売電単価が下がった=もう遅い」は数字が否定する思い込み
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