太陽光発電4kW・5kW・6kW容量別の発電量と収支

CAPACITY COMPARISON GUIDE

「4kWで足りるの? 6kWは大きすぎ?」——見積もりを3社から取った鈴木さん(福岡市・夫婦+子ども2人)は、業者ごとに提案容量がバラバラで困り果てた。A社は4.5kW、B社は6kW、C社は5kW。結局どの容量が正解なのか、判断基準がわからなかったそうです。

この悩み、めちゃくちゃ多い。容量を間違えると、「発電しても使いきれず安い単価で売るだけ」か「電気代がたいして減らない」か、どちらにしても10年後に後悔します。それは本当にもったいない。

この記事では、4kW・5kW・6kWの3つの容量を「発電量」「初期費用」「年間収支」「投資回収年数」で横並び比較します。さらに家族人数と電気使用量から「うちに合う容量」がわかる早見表も用意しました。数字が苦手でも、表とグラフで一発です。

SECTION 01

結論:4kW・5kW・6kW、どれを選ぶべきか

「結論だけ知りたい」という方は、この表だけで十分。

項目4kW5kW6kW
年間発電量約4,400kWh約5,500kWh約6,600kWh
初期費用(新築)約114万円約143万円約172万円
年間経済メリット約13.5万円約16.9万円約19.8万円
投資回収年数約8.4年約8.5年約8.7年
おすすめ世帯2〜3人3〜4人(最多)4人以上 or EV

※横スクロールできます

🔋 4kW

年間発電量約4,400kWh
初期費用約114万円
年間メリット約13.5万円
回収年数約8.4年
おすすめ2〜3人家族

🔋 5kW(最多)

年間発電量約5,500kWh
初期費用約143万円
年間メリット約16.9万円
回収年数約8.5年
おすすめ3〜4人家族

🔋 6kW

年間発電量約6,600kWh
初期費用約172万円
年間メリット約19.8万円
回収年数約8.7年
おすすめ4人以上 or EV

※初期費用は新築の全国平均kW単価28.6万円で試算(出典:資源エネルギー庁「太陽光発電について」2024年12月)。年間発電量は1kWあたり約1,100kWhで算出。売電は新FIT(1〜4年目24円、5〜10年目8.3円)、電力量料金31円/kWhで計算。

ざっくり言えば、迷ったら5kW。日本の住宅用太陽光の平均搭載量は4.4〜4.5kW。5kWは「ちょっと余裕がある」ちょうどいいラインです。

💡 現場から

正直に言うと、4kWと5kWで投資回収年数はほぼ変わりません。差は0.1年。でも年間の経済メリットは3万円以上違う。だから屋根に余裕があるなら5kW以上を勧めています。「大きすぎたかも」より「もう少し載せればよかった」——17年やってきて、後者の後悔のほうが圧倒的に多いんです。

SECTION 02

容量別の年間発電量を比較|地域差はどれくらい出る?

「1kWあたり年間1,100kWh」とよく聞きますが、それは全国平均。住んでいる場所の日射量で、発電量はけっこう変わります。

容量別×地域別の年間発電量(kWh)

福岡 4kW
4,680
福岡 5kW
5,850
福岡 6kW
7,020
東京 4kW
4,240
東京 5kW
5,300
東京 6kW
6,360
新潟 4kW
3,800
新潟 5kW
4,750
新潟 6kW
5,700

※NEDO日射量データベースの各地域平均日射量×損失係数0.85で算出。損失係数は太陽光発電協会ガイドラインに準拠。

福岡は全国でも日照条件がいい地域。同じ5kWでも東京より年間550kWhほど多く発電できます。金額に換算すると年間1万円以上の差。地域の日射量、侮れません。

発電量の計算式はシンプル

設備容量(kW)× 平均日射量(kWh/㎡/日)× 損失係数 × 365日。損失係数は0.85が一般的で、パネル温度上昇やパワコン変換ロスをまとめた数値です(出典:太陽光発電協会)。

たとえば福岡(平均日射量4.01kWh/㎡/日)で5kWの場合、5 × 4.01 × 0.85 × 365 = 約6,222kWh。パネルメーカーの性能や屋根の方角でさらに上下しますが、目安としてはこの計算で十分です。

実例 ─ 福岡市早良区 田中さん(30代・夫婦+子1人・築5年)

4kWで十分だと思ったが、1年後に「あと1kW欲しかった」

年間発電量

4,680kWh

自家消費でまかなえた割合

58%

子どもの成長で電気使用量が増え、もう少し大きい容量にしておけばよかったと感じている。※実績に基づくイメージです

💬 経験談

発電量をチェックするとき、年間合計だけ見て安心する人が多いんですが、本当に見るべきは「冬の発電量」。12〜2月は夏の半分くらいまで落ちます。冬に暖房をガンガン使う家庭ほど、余裕のある容量にしたほうがいい。これ、シミュレーション書面には出にくい話なんです。

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SECTION 03

初期費用と新FIT売電収入のシミュレーション

「で、結局いくらかかって、いくら戻ってくるの?」——ここが一番知りたいところですよね。

2025年10月以降の新FIT制度では売電単価が2段階に変わりました。最初の4年間は24円/kWh、5年目〜10年目は8.3円/kWh(出典:資源エネルギー庁 FIT・FIP制度)。最初の4年で一気に回収する設計になっていて、ここが新FITの面白いところ。従来の「10年間ずっと同じ単価」よりも、実は回収が早くなるケースが多いんです。

容量別10年間の収支シミュレーション

項目4kW5kW6kW
初期費用(新築相場)114.4万円143.0万円171.6万円
年間発電量4,400kWh5,500kWh6,600kWh
自家消費率35%30%27%
電気代削減(年間)約4.8万円約5.1万円約5.5万円
売電収入(1〜4年/年)約6.9万円約9.2万円約11.6万円
売電収入(5〜10年/年)約2.4万円約3.2万円約4.0万円
10年間メリット合計約99万円約122万円約142万円
投資回収年数約8.4年約8.5年約8.7年

※横スクロールできます

💰 4kW 10年収支

初期費用114.4万円
自家消費率35%
電気代削減/年約4.8万円
売電(1-4年)/年約6.9万円
売電(5-10年)/年約2.4万円
10年合計約99万円
回収年数約8.4年

💰 5kW 10年収支

初期費用143.0万円
自家消費率30%
電気代削減/年約5.1万円
売電(1-4年)/年約9.2万円
売電(5-10年)/年約3.2万円
10年合計約122万円
回収年数約8.5年

💰 6kW 10年収支

初期費用171.6万円
自家消費率27%
電気代削減/年約5.5万円
売電(1-4年)/年約11.6万円
売電(5-10年)/年約4.0万円
10年合計約142万円
回収年数約8.7年

※電力量料金31円/kWh(全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価)で試算。自家消費率は容量が増えるほど下がる前提で計算。補助金は含まず。

注目してほしいのは回収年数の差がわずか0.3年しかないこと。4kWでも6kWでも、8年台前半で回収できる。だったら、余裕のある容量を選んだほうが11年目以降のプラスが大きくなります。ここが容量選びの最大のポイント。

補助金3重取りで回収はさらに早くなる

上の試算には補助金を含めていません。国の補助金(ZEH等)、福岡県の補助金、さらに市区町村の補助金を併用する「3重取り」が可能なケースも多い。補助金を使えば、回収年数は6〜7年台に短縮できることもあります。

補助金3重取りとは

国の補助金、県の補助金、市の補助金。この3つは、併用できるケースがほとんどです。うまく組み合わせれば、最大100万円以上の補助金になることも。「1つだけ」で申請している人が、実はかなり多いんです。

SECTION 04

家族人数×電気使用量でわかる最適容量の早見表

「数字はわかった。で、うちは結局どれ?」——この早見表で一発です。

家族構成月額電気代月間使用量最適容量
1〜2人(共働き)5,000〜8,000円150〜250kWh3〜4kW
2〜3人8,000〜12,000円250〜350kWh4〜5kW
3〜4人(子育て世帯)12,000〜16,000円350〜500kWh5〜6kW
4人以上 or オール電化16,000円以上500kWh以上6kW以上
EV or 蓄電池も検討中将来増加見込6kW以上推奨

※横スクロールできます

👤 1〜2人(共働き)

月額電気代5,000〜8,000円
月間使用量150〜250kWh
最適容量3〜4kW

👨‍👩‍👦 3〜4人(子育て)

月額電気代12,000〜16,000円
月間使用量350〜500kWh
最適容量5〜6kW

🏠 4人以上 or EV検討

月額電気代16,000円以上
月間使用量500kWh以上
最適容量6kW以上

電気代の明細に「使用量(kWh)」が載っています。直近12ヶ月分の平均を出して、この表に当てはめてみてください。5分で答えが出ます。

ここで見落としがちなのが「5年後の電気使用量」。子どもが小学生になるとエアコンの使用時間が跳ね上がるし、在宅ワークが増えればさらに電力消費は増える。今ギリギリの容量を選ぶと、数年後に「足りない」と後悔する人が少なくありません。

実例 ─ 北九州市八幡西区 渡辺さん(40代・夫婦+子3人・築12年)

6kW設置で月の電気代が16,000円→4,200円に

設置前の月額電気代

16,000

設置後の実質電気代

4,200

5人家族でオール電化。6kWにしたことで自家消費+売電で月の電気代が大幅に下がった。「5kWと迷ったけど6kWにして正解」とのこと。※実績に基づくイメージです

最適容量は屋根の形と家族構成で変わります

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SECTION 05

容量選びで失敗しない5つの判断基準

「表はわかった、でも本当にこれでいいのかな…」と思ったあなたへ。容量選びで後悔しないための判断基準を、優先度順に5つ並べます。

  • 1

    屋根面積から物理的な上限を確認する

    1kWあたり約5〜6㎡の屋根面積が必要。4kWなら20〜24㎡、5kWなら25〜30㎡、6kWなら30〜36㎡が目安です。南向きの片面で足りない場合、東西2面に分けて載せるケースもあります。

  • 2

    今の電気使用量+将来の増加分を考慮する

    現在の月間使用量に加え、子どもの成長、EV購入、在宅勤務の増加などで5年後にどうなるかを想像してください。いまピッタリの容量を選ぶと、5年後に「足りない」問題が出やすい。

  • 3

    蓄電池を後付けするつもりがあるか

    蓄電池を入れると自家消費率が跳ね上がります。5kWシステムなら自家消費率が30%→60%以上に上がることも。蓄電池を後から入れる予定があるなら、最初からやや大きめの容量を選んでおくほうが経済的です。

  • 4

    予算と回収年数のバランスで決める

    4kWと6kWの初期費用差は約57万円。でも10年間のメリット差は約43万円。つまり差額のうち約75%は10年で回収できる。11年目以降は6kWのほうがプラス額が大きくなる一方。予算に余裕があるなら、大きい方が長期的に得です。

  • 5

    パワコンの容量を最適化する(過積載の検討)

    6kWのパネルに4.4kWのパワコンを組み合わせる「過積載」設計も選択肢。パワコン代を抑えつつ、朝夕の発電量を底上げできるメリットがあります。過積載率120〜150%が一般的で、年間のピークカットロスは5%未満に収まることが多い。

📌 アドバイス

業者によっては「大きい容量を売りたいだけ」のケースもあるし、逆に「在庫のある4kWを勧めたいだけ」のケースもある。判断基準を持っていないと、業者の都合で容量が決まってしまいます。この5つを頭に入れておけば、少なくとも「なぜその容量を勧めるのか」を質問できるようになる。その質問に答えられない業者は、ちょっと考え直したほうがいいです。

SECTION 06

軽量パネルなら屋根が小さくても大容量が載る

「うちは屋根が小さいから4kWが限界」——そう断られた方、ちょっと待ってください。パネルの種類を変えるだけで、同じ屋根面積でも載せられる容量が変わります。

BCソーラーとは

変換効率26.5%。一般的なパネルの約半分の重さ。裏面電極配置で、光の受光面積を最大化。つまり「軽くて、よく発電する」パネルです。屋根への負担が心配な方にこそ、知ってほしい選択肢です。

変換効率が高いということは、同じ面積でもより多くの電力を生み出せるということ。つまり屋根面積が限られた住宅でも、従来パネルなら4kWのところをBCソーラーなら5kW載せられる——そんなケースが実際にあります。

さらに重量が約半分なので、築年数が古くて耐荷重が心配な屋根にも対応しやすい。「屋根が弱いから太陽光は無理」と言われた方でも、BCソーラーなら設置できた事例は少なくありません。

セカンドオピニオンとは

他社で「設置できない」と言われた屋根でも、パネルの種類や工法を変えれば対応できるケースがあります。1社の判断だけで諦めるのは、もったいない。セカンドオピニオンは無料です。

📌 アドバイス

「5kW載せたいけど屋根面積が足りない」というご相談、月に何件もあります。そのうち半分以上は、パネルの選び方や配置の工夫で解決できています。逆に、無理に詰め込んでメンテナンスの導線を潰してしまうのはNG。バランスが大事なんです。

FAQ

よくある質問

4kWと5kWで迷っています。1kWの差はどのくらい?
年間発電量で約1,100kWhの差があります。金額にすると年間3万円前後のメリット差。10年間で約30万円。屋根面積に余裕があるなら5kWのほうが長期的に得です。
6kWにしたら電気が余りすぎてもったいなくない?
新FITの1〜4年目は24円/kWhで売電できるので、余剰分も十分に収益化できます。さらに5年目以降に蓄電池を追加すれば自家消費率が上がり、売電単価が下がっても経済メリットを維持できます。
屋根面積はどのくらい必要?
1kWあたり約5〜6㎡が目安です。4kWで20〜24㎡、5kWで25〜30㎡、6kWで30〜36㎡。ただし高効率パネル(BCソーラー等)なら、同じ面積でもより多くの容量が載ります。
既築(後付け)だと費用は高くなる?
新築に比べてkW単価が約4万円ほど高くなる傾向があります。足場代や屋根の補強が必要になるケースがあるためです。5kWの場合、新築143万円に対し既築は160〜165万円が目安です。
パワコンの容量はパネルと同じにすべき?
必ずしも揃える必要はありません。たとえば6kWのパネルに4.4kWのパワコンを組む「過積載」は一般的な手法です。ピーク時のカットロスは年間5%未満で、パワコン代を抑えられるメリットのほうが大きいケースが多いです。
蓄電池は最初から付けたほうがいい?
予算に余裕があればセットがベストですが、まず太陽光だけ入れて5年目以降に蓄電池を追加する2段階導入も合理的な選択です。新FITは5年目から売電単価が下がるので、そのタイミングで蓄電池を入れて自家消費率を上げる戦略が効率的です。
投資回収年数のシミュレーションは信用していい?
あくまで「目安」として見てください。実際の回収年数は日照条件、屋根の向き、電気使用パターン、補助金の有無で変わります。複数社のシミュレーションを比較し、前提条件(自家消費率・日射量・電気代単価)が明示されているものを参考にしましょう。
福岡での太陽光発電は全国平均より得する?
はい。福岡は年間日射量が全国平均を上回っており、同じ容量でも東京より約10%多く発電できる傾向があります。さらに福岡県や各市の補助金を活用すれば、回収年数がさらに短縮できます。

SUMMARY

まとめ

冒頭の鈴木さんのように、「容量がわからない」と悩む人はたくさんいます。でもこの記事を読んだあなたは、もう「業者の提案をそのまま受け入れるだけの人」ではありません。

この記事のポイント

  • 4kW・5kW・6kWの回収年数差はわずか0.3年。屋根に余裕があるなら大きい方が得
  • 迷ったら5kWが無難。日本の平均搭載量よりやや大きい「ちょうどいい」サイズ
  • 新FITは1〜4年目24円/kWhで初期回収が早い。5年目以降は蓄電池で自家消費シフト
  • 家族人数×月間電気使用量で最適容量は決められる。5年後の増加も考慮すること
  • 屋根面積が限られても、BCソーラーなら通常より多い容量を載せられる可能性がある
  • 補助金3重取り(国+県+市)で回収年数をさらに短縮できる

💬 最後にひと言

容量選びは「今の電気代を減らすため」だけじゃない。10年後、20年後の電気代と暮らし方を左右する投資判断です。だからこそ、1社だけの見積もりで決めないでほしい。3社は比較すること。そして「なぜこの容量なのか」を必ず聞いてください。その質問にちゃんと答えてくれる業者が、信頼できる業者です。

梅原 隆也

太陽光補助金ドットコム 代表|デジタルマーケティング歴17年

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