ELECTRICITY BILL SIMULATION
「太陽光つけたら、電気代って結局いくらになるの?」——夕飯の支度中、ふとスマホで検索してみた。出てくるのは専門用語と、条件がバラバラな数字ばかり。結局よくわからないまま、画面を閉じた。
あの瞬間、「電気代がいくらになるかモヤモヤしたまま、導入も節約もできない未来」がまた一日近づいた——大げさに聞こえるかもしれないけれど、実際そうなんです。毎月の電気代が1万3,000円を超え続ける中、「太陽光って本当に得なの?」と悩み続ける時間そのものが、コスト。
この記事では4人家族・共働き夫婦・オール電化の3パターンに分けて、太陽光を入れたら月々の電気代がどう変わるか、福岡の日射量データで具体的にシミュレーションします。計算根拠も全部出すので、「この数字、本当?」という疑いも晴れるはず。
情報基準日:2026年2月|出典:総務省「家計調査(2024年)」、NEDO日射量データベース(MONSOLA-20)、資源エネルギー庁「太陽光発電のコスト」
SECTION 01
結論:太陽光で電気代は月いくらになる?
「結論だけ知りたい」という方のために、先に答えを出します。
福岡市で5kWの太陽光発電を載せた場合、月の電気代は平均で4,000〜7,000円まで下がるのが一般的。さらに余った電気の売電収入を引くと、実質的な月の負担は2,000〜5,000円あたりに落ち着くケースが多いです。
ただし——ここが最大のポイントなんですが——この数字は「自家消費率」で大きく変わります。昼間に家で電気を使う量が多い家庭ほど削減額が大きく、逆に日中ほぼ留守の家庭だと効果は限定的。まるで、同じ食材でも料理人の腕で味が変わるようなもの。太陽光の「料理人」にあたるのが、自家消費率なんです。
次のセクションで、3つの家庭パターン別に具体的な数字を出していきます。
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SECTION 02
3パターンの月額シミュレーション
「数字が多くてめんどくさそう」と思った方。安心してください。ここでは3つの家庭タイプ別に、太陽光の導入前→導入後の月額電気代を並べるだけ。細かい計算式はこの後で解説します。
共通の前提条件
まず、シミュレーションの前提を揃えておきます。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 設置場所 | 福岡市(年間日射量:平均3.89kWh/㎡/日) |
| パネル容量 | 5kW |
| 年間発電量 | 約5,450kWh(NEDO MONSOLA-20データ使用・損失係数70%) |
| 電気料金単価 | 約31円/kWh(九州電力・従量電灯B 第3段階相当) |
| 売電単価 | 16円/kWh(2026年度FIT 10kW未満想定) |
| 再エネ賦課金 | 3.98円/kWh(2025年度) |
シミュレーション共通条件
年間発電量の計算は、JIS C 8907に準拠しています。5kW × 3.89kWh/㎡/日 × 365日 × 0.77(損失係数)÷ 1kW/㎡ ≒ 5,468kWh(出典:NEDO日射量データベース)。
パターン①:4人家族(専業主婦あり・日中在宅)
子どもが2人、奥さんが日中在宅。昼間のエアコンや炊事で電気を使うから、自家消費率が高い。
| 項目 | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| 月の電力使用量 | 450kWh | 450kWh(変わらず) |
| 自家消費率 | ─ | 35% |
| 自家消費量(月) | ─ | 約159kWh |
| 月の購入電力 | 450kWh | 291kWh |
| 月の電気代 | 約14,500円 | 約7,400円 |
| 売電収入(月) | ─ | 約4,720円 |
| 実質負担(月) | 約14,500円 | 約2,680円 |
パターン① 4人家族
月の削減額は約11,800円。年間にすると約14万円。正直、この金額を知ったとき「早く教えてよ」と思いました。
パターン②:共働き夫婦2人(日中不在が多い)
夫婦ともフルタイム勤務。昼間は誰もいない。自家消費率は低め。
| 項目 | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| 月の電力使用量 | 320kWh | 320kWh |
| 自家消費率 | ─ | 20% |
| 自家消費量(月) | ─ | 約91kWh |
| 月の購入電力 | 320kWh | 229kWh |
| 月の電気代 | 約10,900円 | 約6,800円 |
| 売電収入(月) | ─ | 約5,810円 |
| 実質負担(月) | 約10,900円 | 約990円 |
パターン② 共働き夫婦
面白いのが、自家消費率が低い分、売電量が多くなること。実質負担はほぼゼロに近づいてる。ただし、31円で使う代わりに16円で売っている——この差額分の「もったいなさ」は蓄電池で解決できます(後述)。
パターン③:オール電化4人家族
ガスなし。エコキュートで夜間にお湯を沸かし、IHで調理。電気使用量が多いぶん、削減効果も大きい。
| 項目 | 導入前 | 導入後 |
|---|---|---|
| 月の電力使用量 | 600kWh | 600kWh |
| 自家消費率 | ─ | 30% |
| 自家消費量(月) | ─ | 約136kWh |
| 月の購入電力 | 600kWh | 464kWh |
| 月の電気代 | 約18,200円 | 約12,000円 |
| 売電収入(月) | ─ | 約5,080円 |
| 実質負担(月) | 約18,200円 | 約6,920円 |
パターン③ オール電化4人家族
オール電化は元々の電気代が高いから、年間の削減額は約13.5万円。「ガス代ゼロ+電気代も大幅削減」のダブル効果。オール電化と太陽光の相性がいいと言われる理由が、数字を見ると一目瞭然。
実例 ─ 福岡市南区 田中さん(4人家族・オール電化・築12年)
電気代が月18,500円→実質6,200円に。年間で約14.7万円の削減。
導入前の月額
18,500円
導入後の実質負担
6,200円
5.2kW設置。エコキュートの昼間運転を組み合わせて自家消費率32%を達成。※実績に基づくイメージです
コメント
オール電化の家庭には「エコキュートの運転時間を昼にずらす」という裏技があります。太陽光の余剰電力でお湯を沸かせば、自家消費率がぐっと上がる。設定変更だけでできるので、導入時にぜひ確認してほしいポイントです。
SECTION 03
電気代が下がる仕組み——自家消費と売電のバランス
「なんで太陽光で電気代が下がるの?」——ぶっちゃけ、仕組みはシンプルです。
太陽光パネルで作った電気を「自分の家で使う(自家消費)」か、「電力会社に売る(売電)」か。この2つの組み合わせで電気代が変わる。
自家消費のほうが圧倒的に得な理由
ここ、けっこう驚く数字です。電力会社から電気を買うと1kWhあたり約31円。でも売電すると16円。つまり、自分で使ったほうが1kWhあたり15円も得。
この差はなに? 簡単に言えば、売電は「卸売り」で、自家消費は「小売りをスキップ」しているようなもの。同じ1kWhの電気でも、使い方で価値が倍近く変わるんです。
だから今の太陽光は「売って儲ける」より「使って節約する」のが正解。新FIT制度でも、初期投資支援として最初の10年は24円で売れるけれど、11年目以降は8.3円まで下がります(出典:新FIT制度解説)。長い目で見れば、自家消費率を高めるのがカギ。
自家消費率を左右する3つの要素
- 日中の在宅時間 → 昼間に家にいるほど、発電した電気をリアルタイムで消費できる
- 蓄電池の有無 → 昼間の余りを夜に使えるので、自家消費率が30%→70〜90%にジャンプ
- 電気の使い方の工夫 → 洗濯乾燥やエコキュートを昼間にシフトするだけで効果あり
「在宅ワークの家庭に太陽光が向いている」と言われるのは、このメカニズムがあるから。逆に日中不在でも、蓄電池を組み合わせれば同じ効果を得られます。
SECTION 04
蓄電池を足すとどうなる?月の負担額が激変する理由
「蓄電池って高いんでしょ?」——そう思いますよね。確かに安くはない。でも、数字で見ると景色が変わります。
蓄電池を入れると、自家消費率が30%前後から70〜90%まで跳ね上がる。先ほどの共働き夫婦(パターン②)で見てみると:
| 項目 | 太陽光のみ | 太陽光+蓄電池10kWh |
|---|---|---|
| 自家消費率 | 20% | 75% |
| 月の購入電力 | 229kWh | 約113kWh |
| 月の電気代 | 約6,800円 | 約3,200円 |
| 売電収入(月) | 5,810円 | 1,815円 |
| 実質負担(月) | 990円 | 1,385円 |
共働き夫婦:蓄電池あり/なし
あれ? 実質負担はむしろ微増?——そう、売電量が大幅に減るから「実質」の数字はトントン。でもここで見るべきは「電力会社への依存度」です。月229kWh買っていたのが113kWhへ半減。今後の電気代値上げリスクに対する保険として、蓄電池の価値はここにあります。
正直に言うと、「今すぐの家計の数字」だけ見れば蓄電池なしでも十分得。でも、電気料金が年3%ずつ上がるシナリオだと、10年後には蓄電池ありの方が年間5万円以上得になる計算。どこまで「将来の保険」にお金をかけるか——ここは家庭ごとの判断です。
実例 ─ 北九州市八幡西区 鈴木さん(共働き夫婦+子ども1人・築8年)
太陽光5kW+蓄電池10kWhで電気代が月12,300円→実質2,800円に
導入前の月額
12,300円
導入後の実質負担
2,800円
蓄電池で夜間の電力もカバー。停電時のバックアップにもなり「安心感が段違い」との声。※実績に基づくイメージです
BCソーラーとは
変換効率26.5%。一般的なパネルの約半分の重さ。裏面電極配置で、光の受光面積を最大化。つまり「軽くて、よく発電する」パネルです。屋根への負担が心配な方にこそ、知ってほしい選択肢です。
アドバイス
蓄電池の容量選びは「夜間に使う電力量」で決めるのが基本。4人家族なら10kWh、2人なら6〜7kWhが目安です。大きすぎても持て余すし、小さすぎると朝までもたない。ここは業者に「うちの夜間使用量はどのくらい?」と聞いてみてください。
うちの条件だと、蓄電池はあった方がいい?
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SECTION 05
補助金3重取りで初期費用を大幅に回収する方法
「太陽光っていくらかかるの?」——ここも気になるところ。2026年現在、5kWの設置費用は約100〜130万円が相場(出典:太陽光発電の費用相場)。決して安い買い物ではない。
でも。ここで知っておいてほしいのが、国+県+市の補助金は併用できるということ。
補助金3重取りとは
国の補助金、県の補助金、市の補助金。この3つは、併用できるケースがほとんどです。うまく組み合わせれば、最大100万円以上の補助金になることも。「1つだけ」で申請している人が、実はかなり多いんです。
補助金で回収期間はどう変わる?
パターン①の4人家族で計算してみます。
| ケース | 初期費用 | 補助金 | 実質負担 | 年間削減額 | 回収年数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 補助金なし | 120万円 | 0円 | 120万円 | 約14万円 | 約8.6年 |
| 国の補助金のみ | 120万円 | 15万円 | 105万円 | 約14万円 | 約7.5年 |
| 3重取り(国+県+市) | 120万円 | 40〜65万円 | 55〜80万円 | 約14万円 | 約3.9〜5.7年 |
回収期間の比較
「8年以上かかるのか…」と思った方。3重取りなら4年前後で元が取れる。ここで「やっぱり太陽光ってアリかも」と感じる人が多い。補助金の存在を知っているかどうかで、判断がまるっきり変わるんです。
セカンドオピニオンとは
他社で「設置できない」と言われた屋根でも、パネルの種類や工法を変えれば対応できるケースがあります。1社の判断だけで諦めるのは、もったいない。セカンドオピニオンは無料です。
アドバイス
補助金は自治体ごとに予算の上限があり、年度途中で終了するケースも珍しくありません。「来年でいいや」と思っている間に、今年度の枠が埋まる——これ、毎年見かける光景です。検討中なら、まず3重取りの可否だけでも確認しておくのがおすすめ。
FAQ
よくある質問
SUMMARY
まとめ
この記事のスタート地点は、「太陽光つけたら電気代いくらになるの?」という素朴な疑問でした。
答え:4人家族なら月の実質負担が約2,700円、共働きでもほぼ1,000円、オール電化でも約6,900円。「電気代がいくらになるかモヤモヤしたまま何もできない」という敵は、もう倒せたはずです。
この記事のポイント
- 5kWの太陽光で月の電気代は約4,000〜7,000円に下がる(福岡市の場合)
- 自家消費率がカギ。昼間の在宅率か蓄電池で30%→70%に引き上げ可能
- 蓄電池を足すと「電気代値上げリスクへの保険」効果が大きい
- 補助金3重取りで回収期間が8年→4年に短縮できるケースも
- 福岡の日射量は全国平均以上。太陽光との相性はいい
ここまで読んで「うちの場合はどうなんだろう?」と感じた方。その疑問は正しい。シミュレーションは条件で大きく変わるからこそ、あなたの家に合った数字を出すのが一番確実です。
監修者コメント
「電気代がいくらになるか」を正確に知るには、電気の使い方・屋根の条件・地域の日射量、この3つを揃える必要があります。ネットの一般的なシミュレーションは平均値を使っているので、実際の結果とずれるケースが少なくありません。当社では、お客様の電気料金明細を見ながら、NEDOの実測データに基づいて個別シミュレーションを作成しています。「思ったのと違った」を防ぐには、一般論ではなく、自分の家の数字で判断すること。それが、17年この仕事をしてきた私の結論です。
この記事を読んだあなたは、もう「知らずに損する人」ではありません。
次のステップは、あなたの家の数字を出すこと。
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※補助金は自治体により金額・条件が異なり、予算上限に達し次第終了します。最新情報は各自治体の公式サイトをご確認ください。
経験談
「電気代が半分になった」という声と「思ったほど下がらない」という声、現場では両方聞きます。差を生んでいるのは、パネルの性能でも業者の腕でもなく、ほぼ「昼間の在宅率」です。ここを見落としたシミュレーションは当てにならない。